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南極を喰らふ

日本から1万4千キロも離れた南極で観測隊員は一体何を食べているのだろう。11月しらせで出発した観測隊に共同通信の澤野林太郎記者が同行。南極料理人が作る南極料理を紹介しながら南極生活の裏話をお伝えします。

3月19日(130日目:最終日)おいしく喰らふ10カ条

2010.3.20 0:59
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おにぎりをつくってくれた妻と家族
おにぎりをつくってくれた妻と家族

 昨年、南極で約100年前に英国人探検家スコットが南極探検で使ったバター2個が見つかった。バターは保存状態が良く強いにおいがしたという。ほかにも英国人探検家シャクルトンが南極探検で使ったスコッチウイスキー2箱が南極で見つかっている。
 南極では、消費期限や賞味期限なんて意味がない。生きるために食べる。食べなければ死ぬ。ただそれだけだ。南極点を目指したスコット隊は、食料と燃料がなくなり全員死んだ。
 賞味期限は、おいしく食べることができる期間。消費期限は、おいしさは保証しないけど衛生上食べても安全な期間。この期間が過ぎたら多くの食べ物は捨てられてしまう。
 食べ物があふれる飽食の時代、私たちは食べ物にどのような態度で接したらいいのだろうか。私なりに南極で再発見した「食べ物をおいしく喰らふ10カ条」を紹介して、130日間書き続けてきた筆を置きたい。
1、腹を空かしてから食べる
2、食事に値する労働をしてから食べる
3、料理人の顔を見ながら食べる
4、仲間と食べる
5、絶景の前で食べる
6、夜中に食べる
7、少しだけ食べる
8、しばらく食べていないもの、なつかしいものを食べる
9、料理が出てもすぐ食べず少し待ってから食べる
10、たばこをやめる
 ちなみに私にとって今回1番おいしかった食べ物は、この旅の初日に喰らった妻がつくってくれたおにぎりである。
 成田空港の到着ロビーで隊員達の顔は、父親の顔、夫の顔、恋人の顔へと変わっていった。
 さあ4カ月ぶりに懐かしのわが家に帰ろう。

澤野林太郎

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