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南極を喰らふ

日本から1万4千キロも離れた南極で観測隊員は一体何を食べているのだろう。11月しらせで出発した観測隊に共同通信の澤野林太郎記者が同行。南極料理人が作る南極料理を紹介しながら南極生活の裏話をお伝えします。

3月16日(127日目:あと3日)陸が見えた 

2010.3.16 19:38
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しらせ特製入港ぜんざい
しらせ特製入港ぜんざい

 朝起きると窓の外には陸が見えた。氷はひとつもない。おお、緑の木があるではないか。前回フリマントルで最後に緑を見てから111日ぶり。遂にここまで来たか。長かった。
しらせは16日早朝、シドニー港外に到着した。今晩はここに仮泊し明日はいよいよ入港だ。
 照り付ける太陽。鏡のような穏やかな海。Tシャツになる。暑い。昨年11月に日本を出たときの季節は秋。肌寒かった。赤道を越えたときの気温は30度。夏。そして南極ではマイナス15度。冬(実際は南極は真夏)。そして今日の気温は23度を超えた。夏。日本は春だろうから4カ月の間に、秋夏冬夏春と目まぐるしく季節が変わった。
 甲板には多くの隊員が携帯電話を持って長話。オーストラリアでは機種によっては日本の携帯が使える。1年ぶりに携帯がつながった越冬隊員の留守電にはどんなメッセージがが入っていたのだろうか。
 入港を前に船内が慌ただしくなってきた。先日、しらせ船内は大掃除をした。長かった航海の汚れを落とし美しくなった。隊員は荷造りを始めた。手荷物は19日飛行機で帰るときに持っていくが、ほかの大きな荷物はしらせ船内に残していく。4月上旬にしらせが、東京・晴海に到着してから日本で受け取る。
 今日は、自衛隊の昇任試験も実施された。長い航海なので航海中に船内で昇任試験を受けるとは海上自衛隊らしい。船が揺れていると影響があるので、仮停泊している今日が試験日となった。日本ではすで試験が終了しているため、船内では問題内容が漏えいしないよう数日前から電話、メールが原則禁止された。そして今朝、シドニー港から問題用紙が船で運ばれてきた。
 海上自衛隊では、入港前にある決まった食事が出される。「入港ぜんざい」。アズキともちが入った冷たいおしるこである。これは旧海軍時代から続く伝統食で、今も海上自衛隊の艦船が寄港する時に出されるという。なぜぜんざいか。それは「入国万歳」に掛けているという。
 さあ、明日はいよいよ上陸だ。

澤野林太郎

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