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こーろぎ南極記

雪と氷が埋め尽くす「白い大陸」・南極。日本人初の上陸から100年。地球温暖化や未知の自然に挑む第54次南極観測隊のサイドストーリーを同行記者がお届けする。

大陸に映えるSM100S(1月23日)

2013.1.23 23:28
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雪面を走るSM100S型雪上車
雪面を走るSM100S型雪上車

 南極大陸内での移動に使用するのはSM100S型雪上車だ。新潟県に本社のある大原鉄工所が製造している。車体の長さが約6メートル、幅約3メートルあり、重さは約11・5トン。映画「南極料理人」の舞台で、標高約3800メートルの内陸部にあるドームふじ基地での運用を前提に開発されているため、標高4000メートル、マイナス60度までなら通常の性能を維持して走行できるという最高級のタフさを持つ車だ。最高速度は時速約20キロだが、凹凸のある雪面を走行すると揺れが激しいため、通常は時速10キロ程度で走らせる。車体のオレンジ色が南極大陸の青空と白い雪面に映えて非常にかっこいい。中は無駄を省いたシンプルな構造で割と広い。天上近くに設置された棚のような部分に布団が用意され、寝れるようにもなっている。
 今回の地質調査、測地、気象チームの作業は航空観測拠点「S17」近くの3カ所に分かれて行っているため、それぞれの地点に移動して車から降りてしまうと、雪上車は別チームの作業地点へ向かうために去っていく。すると風が吹きさらす体感気温マイナス約20度の極寒の中、わずかな人数で残されるような格好になり、非常に心細くなってしまう。いちおうS17の小屋や留め置いてある別の雪上車の姿も見えるのだが、歩いていくのは非常に困難だろうし、ちょっと曇ったり雪が降ったりして視界が悪くなれば、すぐに見失ってしまうだろう。作業が一段落した後で迎えにやって来るSM100Sの重く、低く、パワフルなエンジン音は、とても頼りがいのあるサウンドだった。

興梠 敬介

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