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こーろぎ南極記

雪と氷が埋め尽くす「白い大陸」・南極。日本人初の上陸から100年。地球温暖化や未知の自然に挑む第54次南極観測隊のサイドストーリーを同行記者がお届けする。

雪上車の夜(1月24日)

2013.1.24 23:23
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雪上車内で寝る筆者(右上)
雪上車内で寝る筆者(右上)

 大陸の航空観測拠点「S17」への同行も最終日。今日は雪上車につないだ居住用のそりではなく、雪上車の後部天井近くにある寝床で寝ることになった。これまで野外でもよく眠れていたので、そのことを知っていたK隊員に「あそこで1回寝てみるべきですよ」と言われたためだ。雪上車で寝ることなど人生でもう二度とないだろう。それならやってみるかと腹を決めた。決心がいるほどのことかと思うかもしれないが、布団があるとはいってもかなり簡易な作りで、狭くて天井が低いため、一見「仮眠とか昼寝ならともかく、本当にここで夜眠れるのか」と思ってたじろいでしまうのだ。布団にひじを付け、腕を上に向けてまっすぐに伸ばすと、握ったこぶしの先がちょうど天井に当たるほどのスペース。寝返りもできなさそうだし、起きても体を真っすぐに起こすことは不可能だ。もぐり込むようにして寝床へよじ登り、横になった。多少飲んでいたし、連日続いているハードな観測機器の設置による疲れもあってか「お、案外いけそう」。雪上車の床などで寝袋に寝ていたT隊員、前出のK隊員の同世代2人としばらく一緒にとりとめのない話をしているうちに、いつの間にか寝てしまっていた。
 気が付いた時は既に朝になっていた。起きようとして立てたひざが天井に当たって「あ、そうか。雪上車で寝てたんだ」と気付くほどの熟睡。南極に来てから普段は夜中に目が覚めることが多いはずなのに。別の隊員の方からは「夜は寒くなかったですか」と訪ねられたが、フリースを着たまま寝ていたからか、寒さを感じるどころか、布団が寝床のスペースから落下しそうになっていたほどだった。仕事柄もあって割とどこでも寝れる方だとは思っていたが、妙な自信をより深めた一夜だった。

興梠 敬介

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