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こーろぎ南極記

雪と氷が埋め尽くす「白い大陸」・南極。日本人初の上陸から100年。地球温暖化や未知の自然に挑む第54次南極観測隊のサイドストーリーを同行記者がお届けする。

一生に一度くらい(1月25日) 

2013.1.25 23:45
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作業を終えて大の字に寝転ぶ筆者
作業を終えて大の字に寝転ぶ筆者

 南極行きを最終的に決めたきっかけの一つに、20年来のファンであるミュージシャンの仲井戸麗市さんの歌があった。アフリカのニジェールに行った知人から手紙が届き、一生に一度くらいはサハラ砂漠で大の字に寝てみるのもいいのではとしたためられていたというのが歌詞の大まかな内容だ。会社のいろいろな事情もあり、自分が南極に行ってもいいものかどうかをいろいろと考えていた時にこの歌を聴きながら「今回でなければ、もう行く機会は一生のうちに二度と来ない」と心を決めた。
 午後には航空観測拠点「S17」から昭和基地へ帰る予定になっている。地質調査のチームによる観測機器の設置は時間が押していたため、今日は早起きして作業が始まった。午前11時過ぎにようやく終わった。この3日間、固い雪をスコップで掘り続けてきて腰が痛かったが、長い作業を無事に終えられた満足感からしばらく大の字に寝転んでいた。抜けるような青い空が360度に広がる。東京のようにビルの影に切り取られることがない空。さまざまに形を変えながら流れていく雲。南極に来て一番良かったと思うのは、写真ではなかなか感じることができない本物の空と雲の美しさを自分の目で見ることができたことだと思う。機会があれば南極の大地から空を眺めてみることをぜひおすすめしたい。
 帰りの準備をしていたら「天候が悪くなって迎えのヘリが飛べない」との無線が入り、今日は帰れないことになってしまった。明日の朝まであと半日、この景色を満喫できることになった。

興梠 敬介

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