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こーろぎ南極記

雪と氷が埋め尽くす「白い大陸」・南極。日本人初の上陸から100年。地球温暖化や未知の自然に挑む第54次南極観測隊のサイドストーリーを同行記者がお届けする。

ブリザード(2月11日)

2013.2.11 23:23
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3度目の居室になった「温倶留中央病院」の病室
3度目の居室になった「温倶留中央病院」の病室

 しばらく前から予報が出ていたのだが、午後からブリザードになるといわれている。ブリザードは日本でいえば台風のようなものなのだろうが、南極では雨ではなく雪が降るため、激しい風で雪が舞い上げられて視界が著しく悪くなる。南極観測隊では風速や視界の広さなどを基にブリザードをABCの3ランクに分類している。最も激しいA級では視程100メートル未満、風速25メートル以上の状態が6時間以上継続した場合を指す。場合によっては外出禁止令や外出注意令が出されるため、2月に入って引っ越しをしたばかりの第1夏期隊員宿舎から基地中枢部の管理棟へと再び引っ越すことになった。まだ基地に残る夏隊員が全員入れるだけの部屋はないので、私の居室は基地内の医務室。入口には基地のある東オングル島にちなむ「温倶留中央病院」の看板が掲げられ、手術室や歯科用の治療台もある立派な病院(診療所?)だ。54次隊のドクター2人が、万一のけがや病気に備えて詰めている。引っ越しを終えた午後からは本格的に風と雪が強まり、みるみるうちに視界が悪くなり、外出注意令も出された。残りわずかの昭和基地滞在だから、最後にいろいろ外で写真を撮ったりもしたかったのだが、外に出ることもままならない。これも南極の厳しさなんだろう。夜、薄暗い医務室で白骨標本とブリザードの景色を眺めながら寝るのもなかなか悪くない。

興梠 敬介

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