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北極を喰らふ

北緯約77度。北極点まで千数百キロのグリーンランドで、日本の北極観測隊と現地イヌイットは何を食べているのか。同行記者がルポする。

温暖化でプラスも グリーンランド副首相

2012.9.13 19:32
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フレデリクセン副首相
フレデリクセン副首相

 北極圏の氷が急速に解けているグリーンランドで地球温暖化対策を担当するイェンス・フレデリクセン自治政府副首相は10日までに共同通信のインタビューに応じ、「アザラシ猟が難しくなっているが、鉱物資源採掘が容易になったり、温暖化で野菜も栽培できるようになったりしている」と述べ、プラス面もあるとの認識を示した。
 グリーンランドでは、周辺海域に大量に埋蔵されていると見込まれる原油や陸の鉄鉱石をめぐり、世界中の企業の競争が激化している。またこれまでジャガイモしか育たなかったが、近年南部ではキャベツやニンジンの栽培が可能になったという。
 フレデリクセン副首相は「温暖化にはポジティブな面とネガティブな面の両面がある」と指摘。
 ネガティブな面として、氷の減少で近年先住民イヌイットによる犬ぞりを使ったアザラシ猟が難しくなってきたことを挙げた。40~50年後には猟ができなくなる地区も出る恐れもあるという。
 フレデリクセン副首相は「このペースで氷が解けると、2100年までに世界中の海面が1・6メートル上昇するという最新予測の報告を受けた。大量に二酸化炭素を排出している大国が責任を果たすべきだ」と述べた。(ヌーク共同=沢野林太郎)


●大国は責任果たすべきだ
 自治政府副首相一問一答

 グリーンランド自治政府のイェンス・フレデリクセン副首相とのインタビューの主なやりとりは次の通り。
 ―温暖化や氷減少の影響は。
 「ポジティブな面とネガティブな面がある。ポジティブな面は、鉱物資源採掘が容易になってきたことだ。陸では氷床が解けてフィヨルドでの調査ができるようになった。大量の鉄鉱石が埋蔵されている可能性がある。海の氷も解けており、沖合で海底の原油ガス田開発が期待できる。キャベツやニンジンなどの野菜が栽培できるようになり、ジャガイモの生産量も増えた」
 ―ネガティブな面は。
 「イヌイットの犬ぞりを使った猟が難しくなってきている。氷が薄く、犬ぞりの重さに耐えられない。冬場のアザラシ猟やカレイ漁が影響を受けている。40~50年後には犬ぞり猟ができなくなる地区が出る恐れもある。取れる魚の種類も変化している。主力のエビは生息域がどんどん北上しており、漁獲量が減る可能性がある」
 ―温暖化対策は。
 「温暖化の主要因は大国が排出した二酸化炭素。グリーンランドでは二酸化炭素排出を削減するため電力の多くは水力発電にしている。大量に二酸化炭素を排出している米国や中国は排出規制をする国際的な枠組みに加わり責任を果たすべきだ」(ヌーク共同=沢野林太郎)
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澤野林太郎

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