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北極を喰らふ

北緯約77度。北極点まで千数百キロのグリーンランドで、日本の北極観測隊と現地イヌイットは何を食べているのか。同行記者がルポする。

犬ぞりで氷上走行1万キロ~山崎哲秀さん~ 

2012.8.27 14:34
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山崎さんと犬たち(山崎さん提供写真)
山崎さんと犬たち(山崎さん提供写真)

 北極圏の温暖化の実態を探るため、犬ぞりで北極の氷上約1万キロを走行する計画を実行している日本人探検家がいる。大阪府高槻市の 山崎哲秀(やまざき・てつひで)さん(44)だ。
 近年、温暖化の影響で「海氷」が不安定になり、氷が割れてグリーンランド犬13頭を失った経験も。今、北極で何が起きているのか。北緯77度のグリーンランドで、日本の北極観測チームに参加している山崎さんを訪ねた。
 「陸地まではあと100メートルぐらいだった」。山崎さんには忘れられない光景がある。2007年1月、グリーンランド北西部シオラパルクから犬ぞりで海氷上を走っていた。例年なら冬で氷がしっかりしている時期だったが、その年は違った。氷が薄く、所々海面が見えた。ブリザードに行く手を阻まれ、犬たちは動こうとしない。
 突然、足元の氷が割れた。海面が広がっていく。自分は何とか陸地に逃れたが、13頭の犬たちを載せた氷はどんどん沖へ。なすすべがなかった。「かつて冬にこんなことはなかったのに…」。結局、家族同然だった犬たちを見つけることはできなかった。
 高校1年の時に冒険家植村直己(うえむら・なおみ)さんの本を読み、今の人生が決まった。日本でアルバイトをして費用をためては、海外に探検に出る生活。30代で南極観測隊に参加、北極圏へは約25年間通い続ける。
 探検だけでなく気候変動にも関心があり、氷床上の雪や氷の状態を観測して研究者らに情報提供。「自分が観測の役に立てればうれしい」と話す。06~15年の10年計画で、グリーンランドやカナダ、アラスカなどの北極圏を犬ぞりで走行しながら調査している。
 今年6~7月は、日本がグリーンランドに派遣した北極観測隊員の調査に同行し、水先案内人ならぬ「氷先」案内人を務めた。
 今回のグリーンランド滞在中に、日本で長男が生まれた。妻は南極観測隊で一緒だった「理解ある女性」という。
 現在、カナダ北部に拠点を構え、新しい犬は14頭まで増えた。年間150万円を超える、餌代のカンパを募っている。
 連絡先は、avangnaq@gaia.eonet.ne.jp。代わりに北極観測の報告が届く。( グリーンランド・カナック共同)

 

澤野林太郎

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