パッカーズQBロジャーズはジェッツへ NFL、FA市場が解禁


NFLは3月15日(日本時間16日午前6時)に、2023年度リーグイヤーがスタートした。
これと同時にトレードやフリーエージェント(FA)制度を使った移籍が可能となる。いわゆる「FA市場解禁」である。
早くもいろんな動きが起きているが、最も話題になっているのがQBアーロン・ロジャーズのジェッツへの「移籍宣言」だ。
ロジャーズは元NFL選手のパット・マカフィーがホストを務めるテレビ番組に出演し、2023年シーズンはジェッツでプレーしたいと明言した。
ブレット・ファーブに代わって、2008年からパッカーズのフランチャイズQBとして活躍し、スーパーボウル優勝1回、リーグMVP4回選出という実績を残してきたロジャーズだが、2020年にパッカーズがジョーダン・ラブをドラフト1巡指名して以来、毎年のように去就が注目されてきた。
その度にパッカーズに残留してきたが、この1、2年でパッカーズがラブへの世代交代を進めたことから引退か移籍しての現役続行かで心が揺れていた。
ロジャーズ獲得にはジェッツが熱烈なラブコールを送っているが、初めて本人の口から他チームでプレーする意欲が伝えられた。
正式な手続きはまだ行われていないが、これで事実上パッカーズからジェッツへのトレードが決まったと言っていいだろう。08年のファーブと同様、パッカーズからジェッツへトレード移籍するのも何か因縁めく。

スーパーボウルチャンピオンのチーフスは多くの選手を失うことになる。WRジュジュ・スミスシュースターがペイトリオッツと契約を結んだほか、OTオーランドー・ブラウンJr.がベンガルズに、Sジュアン・ソーンヒルがブラウンズに移籍する。
昨季のイーグルス躍進の立役者の一人であるRBマイルズ・サンダースはパンサーズとの契約で合意した。

一方で過去7年間カウボーズのエースRBとして活躍してきたエゼキエル・エリオットが放出されることとなった。

19年にチームと総額9000万ドル(約120億円)で6年契約を結んだエリオットだが、その内容に見合う結果が残せなかったと判断された。
4年目を迎えるトニー・ポラードが台頭してきたこともあり、戦力外と判断された。27歳のエリオットがどのチームで新たなキャリアを重ねるのかも注目だ。

生沢 浩( いけざわ・ひろし)プロフィル
1965年生まれ。上智大卒。英字新聞ジャパンタイムズの運動部長を経て現在は日本社会人アメリカンフットボール協会の事業部広報兼強化部国際戦略担当。大学時代のアメリカンフットボール経験を生かし、フットボールライターとしても活動。NHKーBSなどでNFL解説者を務める。大学時代のポジションはRB。日本人で初めて「Pro Football Writers of America」の会員となる。