若手QB台頭で新時代到来 スーパーボウル進出懸けたカンファレンス決勝


NFLのプレーオフはAFC、NFCのカンファレンス決勝進出チームが決まり、日本時間の1月23日に第57回スーパーボウル(日本時間2月13日、アリゾナ州グレンデール)の出場チームが決まる。
AFCはチーフスが地元アローヘッドスタジアムにベンガルズを迎え、NFCは今季好調のイーグルスが、リンカーンフィナンシャルフィールドで49ersと対戦する。
AFCは昨年のカンファレンス決勝と同じカードだ。1年前はベンガルズが18点差を追いつき、オーバータイムの末にチーフスを破った。
チーフスは当然リベンジを狙うが、QBジョー・バーロウ率いるベンガルズには3連敗中と分が悪い。
さらにエースQBパトリック・マホームズは、前週のジャガーズとの準決勝で右足首を捻挫して自慢の機動力が十分に発揮できない懸念がある。
チーフスが勝てば最近4年間で3度目のスーパーボウル出場。ベンガルズは2年連続出場を目指し、過去に3度挑んで果たせていない初優勝を狙う。

NFCは下馬評を覆して活躍するQB同士の対戦だ。49ersの新人ブロック・パーディは、昨年4月のドラフトで最後に指名された、いわゆる「Mr.Irrelevant(期待薄)」だ。
しかし、故障で戦列を離れたジミー・ガロポロに代わってスターターとなってから、7試合で負けていない。チームも12連勝中で、3年ぶりのスーパーボウル出場に燃える。

イーグルスのQBジェイレン・ハーツも、シーズン前はTDドライブを完結できないという低い評価だった。
しかし、右肩に故障を抱えながらも、先発した試合は14勝1敗という見事な成績を残し、イーグルスファンの心をつかんだ。2017年シーズン以来の頂点に向けて自信を深めている。

カンファレンス決勝に残った4人のQBはいずれも26歳以下と若いのが特徴だ。
トム・ブレイディ(バッカニアーズ)、アーロン・ロジャーズ(パッカーズ)、マシュー・スタッフォード(ラムズ)といった、近年プレーオフを勝ち進んだベテランQBは一人も残らなかった。
次世代を担う精鋭たちがNFLの王座を争う。今年のスーパーボウルは、QBの「新時代到来」を印象付ける大会になるだろう。

生沢 浩( いけざわ・ひろし)プロフィル
1965年生まれ。上智大卒。英字新聞ジャパンタイムズの運動部長を経て現在は日本社会人アメリカンフットボール協会の事業部広報兼強化部国際戦略担当。大学時代のアメリカンフットボール経験を生かし、フットボールライターとしても活動。NHKーBSでNFL解説者を務める。大学時代のポジションはRB。日本人で初めて「Pro Football Writers of America」の会員となる。