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【聖火リレー アーカイブス(98)】 64年聖火台、制作者ら式典 最終中継地、埼玉でリレー

2021.7.10 12:00 共同通信
1964年東京五輪で使われた聖火台のレプリカ前で、トーチを手にする鈴木昭重さん=6日午前、埼玉県川口市
1964年東京五輪で使われた聖火台のレプリカ前で、トーチを手にする鈴木昭重さん=6日午前、埼玉県川口市
 東京五輪の聖火リレーが6日、埼玉県で始まり、鋳物の街として栄えた川口市で、1964年東京五輪の聖火台制作に携わった町工場の元職人鈴木昭重さん(86)が出発式典に参加した。埼玉はゴールの東京へ向かう最後の中継地。
 鈴木さんは職人一家の四男。58年に東京で開催されたアジア競技大会に向けて兄ら仲間と聖火台を作り上げ、その聖火台が64年の五輪でも使われた。注文から納期までわずか3カ月。熟練工の父は過労で倒れ、完成を見ないまま亡くなった。
 64年の五輪開会式で、点火のシーンを見た鈴木さんは涙が止まらず「聖火ランナーになりたい」と夢を抱いた。新型コロナウイルスの影響で、川口市では公道走行が中止に。それでも鈴木さんは「式典をやってくれてうれしい」と喜び、会場の公園に置かれた聖火台のレプリカに手を合わせて五輪の成功を祈った。
埼玉新聞代表撮影、渡来人を祭る高麗神社で、古代装束姿の人たちの前でトーチを掲げる聖火ランナー=6日午後、埼玉県日高市
埼玉新聞代表撮影、渡来人を祭る高麗神社で、古代装束姿の人たちの前でトーチを掲げる聖火ランナー=6日午後、埼玉県日高市
 公道走行は蕨市からスタート。戸田市では、人気俳優の浜辺美波さん(20)が聖火を運んだ。所沢市では将棋界で初めて国民栄誉賞を受賞した羽生善治九段(50)が聖火をつないだ。
 約1300年前に朝鮮半島と交流のあった日高市では、馬上から矢を射る渡来人の騎射術にちなみ、馬に乗って聖火を運んだ。娘(6)が難病の滑脳症を患う中村葉子さん(32)が最終走者を務め「病気や障害のある子や家族が生き生きと暮らせる社会に」と願いを込めた。