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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

ハイズマン賞はオクラホマ大QBメイフィールド 米大学フットボール

2017.12.13 15:18 丹生 恭治 にぶ・きょうじ
10月のアイオワ州立大戦で、相手DBのタックルをジャンプしてかわすオクラホマ大QBメイフィールド(AP=共同)
10月のアイオワ州立大戦で、相手DBのタックルをジャンプしてかわすオクラホマ大QBメイフィールド(AP=共同)

 

 米国のカレッジフットボールは、いよいよボウルゲームシーズンを迎える。全米大学体育協会(NCAA)フットボール部門のボウルサブディビジョン(FBS=旧1部A)は12月9日、恒例の陸海両士官学校の対校戦でレギュラーシーズンの全日程を終えた。

 また同日、注目の全米大学最優秀選手に贈られる「ハイズマン賞」が発表され、オクラホマ大の4年生QBベーカー・メイフィールドの受賞が決まった。

 

 メイフィールドは今季、71%の高いパス成功率を背景に4340ヤードを獲得、41TDを記録したほか、1プレー当たりの前進距離も13・4ヤード、インターセプトはわずかに5と優れた成績を残した。

 メイフィールドの大活躍もあり、オクラホマ大は12勝1敗の好成績を挙げ、難なくビッグ12の王座に就いたばかりか、全米ランキングではクレムソン大に次ぐ2位につけ、2018年1月1日のローズボウルでランク3位のジョージア大と選手権準決勝を争うことになった。

2017年の「ハイズマン賞」に輝いたオクラホマ大QBメイフィールド(AP=共同)
2017年の「ハイズマン賞」に輝いたオクラホマ大QBメイフィールド(AP=共同)

 

 ハイズマン賞の集計では、メイフィールドへ1位票732が集まり、得点合計は2398点。1300点の2位のスタンフォード大RBブロイス・ラブに1098点差をつけた。

 また昨年の受賞者ルイビル大のQBラマー・ジャクソンは793点で3位だった。

 

 オクラホマ大からのハイズマン賞受賞は6人目。2008年のQBサム・ブラッドフォード以来9年ぶりの栄光に輝いた。

 同校の受賞者をさらにさかのぼって列記すると、2003年のQBジェーソン・ホワイト、1978年のRBビリー・シムズ、1969年のRBスティーブ・オーエンス、1952年のRBビリー・ベッセルズとなる。

 

 メイフィールドはテキサス工科大に入学し、QBとして8試合に出たあとオクラホマ大に転校した。一昨年と昨年の活躍からハイズマン賞の有力候補として高く買われるようになった。

 そして今季はその実力通りの結果を残した。今季の全試合にTDパスを記録しているのをはじめ、オクラホマ州立大戦では598ヤードを稼ぎ、5TDパス。テキサススクリスチャン大(TCU)戦では4TDパスと、大事な試合では期待に応えて優れた結果を残した。

 

 ハイズマン賞受賞直前にも、メイフィールドはAP通信の「プレー・オブ・ザ・イヤー」を受賞するなど、すでに数多くの最優秀選手、最優秀QBなどの賞を受けており、残るは全米チャンピオンの座とも言われている。

 

 士官学校同士の決戦は1890年に始まり、今回が118度目の対戦。対校戦として古い歴史を持つものの一つである。

 もっとも、回数では最古とは言えない。実はFBSで最も試合回数が多いのが、ミネソタ大とウィスコンシン大の対戦で127回。士官学校の対戦は11番目となる。

 

 ただ始まった年でいえば、これより古いのは1888年のオハイオ州のマイアミ大とシンシナチ大、ノースカロライナ大とウェークフォレスト大の2カードがあるだけで、次が1890年だから間違いなく、3番目に古い。

 

 その伝統に彩られた今年の対校戦は、雪のペンシルベニア州フィラデルフィアのリンカーン・フィナンシャル・フィールドで行われた。

 先行したのは陸軍。QBアーマド・ブラッドショーとRBダーネル・ウールフォークの走力を軸に10数プレーをかけて海軍ゴール3ヤードに迫り8分10秒、ウールフォークが先制のTDを奪った。

 

 海軍も同様にQBザック・アベイのリードでRBのマルコム・ペリー、FBクリス・ハイらが力走して反撃。59秒にベネット・モーリングが28ヤードのFGを返し、第2Q11分40秒にはペリーが68ヤードを独走して10-7と逆転した。

 

 後半も同じような経過をたどり、まず第3Q9分20秒、海軍が24ヤードのFG。このまま推移するかに見えたが、陸軍は第4Qに猛反撃。またも十数プレーを費やして海軍のゴールラインに殺到。5分10秒、ゴール前1ヤードからブラッドショーのQBスニークで1点を勝ち越した。

 

 海軍はこのあと48ヤードのFGチャンスに恵まれたが、モーリングのキックはわずかに届かず、13-14で涙を呑んだ。

 この試合、陸軍のランプレーは49回で221ヤード、2TD。ブラッドショーが21回走って94ヤードを稼いだのが最多で、ウールフォークの12回57ヤードがこれに続いた。

 海軍は46回で294ヤード、1TD。個人ではペリーが30回球を持ち250ヤードと大活躍した。ハイは9回で26ヤードだった。

 

 陸軍はこの伝統の一戦に2連勝。連勝は1995、96年以来21年ぶりで、対戦成績を51勝60敗7分け。今季9勝(3敗)も連勝同様96年以来21年ぶりだった。

 なお両校のボウルゲームは、陸軍が12月23日にテキサス州フォートワースでのアームドフォーセス・ボウルでサンディエゴ州立大と対戦。今季6勝6敗の海軍は12月28日に、メリーランド州アナポリスでのミリタリー・ボウルでバージニア大と顔を合わせる。

丹生 恭治 にぶ・きょうじ

名前 :丹生 恭治 にぶ・きょうじ

プロフィール:1934年生まれ。関西学院大学卒業後、東京新聞社で運動記者としてスタートし、1962年に共同通信社へ移籍。著書に、中学時代から関学で親しんだアメリカンフットボール生活を描いた「いざいざいざ」がある。甲子園ボウルには高校時代と合わせて6度優勝。

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