アラバマ大快勝、ジョージア大は苦戦 米大学フットボール第5週

2022年10月03日
共同通信共同通信
浅岡 弦 あさおか・げん
ジョージア大の攻撃を指揮するQBベネット(13)(ロイター=共同)
ジョージア大の攻撃を指揮するQBベネット(13)(ロイター=共同)

 

 全米大学体育協会(NCAA)の2022年シーズン第5週は、9月29から10月2日にかけて全米各地で熱戦を展開した。

 9月28日、大型ハリケーン「イアン」がフロリダ半島に上陸し北上、熱帯低気圧に衰えたものの南部に甚大な被害があり70人を超える犠牲者を出した。バイデン大統領が10月1日、ノースカロライナ州に非常事態宣言を出す事態となり、フロリダ州ゲインズビルでのフロリダ大(サウスイースタンカンファレンス=SEC東)対イースタンワシントン大(FCS)は2日に延期して行なわれた。

(注)文中の順位はAP通信(記者投票)ランキング

 

 ▽アラバマ大、終盤に引き離す

 この週は試合のなかったランキング8位テネシー大(SEC東)を除いてランク校同士の試合が五つあり、上位校の4勝1敗だった。

 

 ランキング2位のアラバマ大は20位アーカンソー大との敵地でのSEC内対決に臨み、第4クオーター(Q)に引き離し、49―26で快勝した。

 アラバマ大は第1Q、昨シーズンのハイズマン賞のQBブライス・ヤングからWRコービー・プレンティスへのTDパスで先制すると、ヤング自らが走ってTDを挙げ14―0とリードした。

 

 第2Qにも2TDで加点しリードを広げたが、ヤングはパスプレーの際に右肩を負傷し、ジャレン・ミルローに後を託す。28―7で迎えた第3Q、アラバマ大は攻撃を封じられ、パントのスナップミスなどからアーカンソー大に2TDとFGを決められ5点差に迫られた。それでもアラバマ大は第4Q、エースランナーのシャミフル・ギブスの72、76ヤードTDランで振り切った。

アラバマ大RBウィリアムズ(5)の力強い走り(ロイター=共同)
アラバマ大RBウィリアムズ(5)の力強い走り(ロイター=共同)

 

 アーカンソー大はRBラヒーム・サンダースの今季4度目の100ヤードラッシングを軸にアラバマ大守備を攻略したが及ばなかった。アラバマ大は全勝を守ったものの、負傷退場した大黒柱ヤングの状態がシーズン中盤以降に向けての懸案となった。

 

 SECではこのほか4勝無敗同士の14位のミシシッピ大が7位ケンタッキー大を迎えた。

 ミシシッピ大は第1Q、RBザック・エバンスとクインストン・ジャドキンスがランでTDを奪えば、ケンタッキー大もRBクリス・ロドリゲスがエンドゾーンに走り込む。

 第2Q、ミシシッピ大はセーフティーとFGで加点、ケンタッキー大は来季のNFLドラフト1位候補のQBウィル・リービスからWRテイビオン・ロビンソンへのTDパスが決まった。

 

 第3Q、ケンタッキー大はリービスがTEジョーダン・ティングルへ17ヤードのTDパスがヒット、この日初めてTFPが決まり19―19とした。

 それでもミシシッピ大はFGで勝ち越し、3点のリードを守り切った。ケンタッキー大は終盤、パスで逆転TDを挙げたが不正なマンインモーションで無効となり、今季初黒星を喫した。 

 

 アトランティックコースト連盟(ACC)の好カードは、5位クレムソン大が10位のノースカロライナ州立大を30―20で下した。

 クレムソン大は、第4週で2度に渡るタイブレークの末にウエークフォレスト大を退けたのに続いて地区優勝(ACC大西洋)への鍵となる試合をものにした。

 

クレムソン大のQBウィアガレレイ(5)のTDラン(AP=共同)
クレムソン大のQBウィアガレレイ(5)のTDラン(AP=共同)

 

 試合は一進一退の展開。クレムソン大が20―13とリードして迎えた第4Q早々、クレムソン大はKのBT・ポッターが44ヤードのFGを決めると、司令塔DJ・ウィアガレレイの9ヤードTDランで差を広げた。

 クレムソン大はこの日、8万1500人で埋まった「デスバレー」と異名をとるメモリアルスタジアムで、2016年11月以来無敗の37連勝(ACC記録)を飾り、昨季からの連勝をFBSでは最長の「11」とした。

 

 ACC大西洋のもう1つの好カードは、22位ウエークフォレスト大が31―21で23位のフロリダ州立大を破った。

 先制したのはホームのフロリダ州立大。キックオフ後のシリーズを、QBジョーダン・トラビスがTDパスで完結させた。しかし、ここからウエークフォレスト大が第3Qキックオフ直後のシリーズまでは4TDを連取して主導権を握った。

 立役者はQBサム・ハートマン、34回試投22回成功234ヤード、2TDでチームを勝利に導いた。

 

 ビッグ12のランク校対決は、9位オクラホマ州立大が16位ベイラー大を36―25で振り切った。

 第4週に試合がなかったオクラホマ州立大は周到な準備で敵地に乗り込み、先制のFGを許したものの16―3と前半をリードした。

 第3Qに両校合わせて5TDと試合は大きく動くが、後半開始のキックオフでリターンTDを奪ったようにオクラホマ州立大は終始主導権を手放さなかった。

 

 ▽ジョージア大、終盤に地力

 ランク校とランク外の対戦は14試合あり、ランク校の9勝5敗だった。ランキングトップのジョージア大はミズーリ大に遠征してのSEC東西対決で苦戦を強いられたが、第4Qに2TDを奪い逆転に制した。

 

 第3Qまでミズーリ大が19―12でリード。唯一のTDはミズーリ大が挙げたパスによるもので、昨季の全米チャンピオンのベンチではフラストレーションが募った選手同士がもめるなど、後味の悪いものとなった。

 第4Q、ミズーリ大がKハリソン・メビスの4本目となる56ヤードFGで10点差とした。それでもジョージア大は慌てずに75ヤードのドライブをRBケンドール・ミルトンが1ヤードTDランに結びつけ3点差に迫る。そして残り4分3秒、RBダイシニン・エドワーズが1ヤードを押し込んだ。

 

 同じSECでは西地区同士の対戦で17位テキサス農工大がミシシッピ州立大に24―42で屈した。第4週から6ランク上げて乗り込んだテキサス農工大だったがミスとターンオーバーが多発。FGをブロックされてのTDなど10―21で迎えた第4Q、インターセプトリターンTDを喫するなど差を広げられた。

 

 ACCで24位ピッツバーグ大(ACC沿岸)はホームにジョージア工科大を迎えた一戦で、三つのターンオーバーが響いて21―26で競り負けた。

 コーチ投票で25位にランクインしたシラキュース大(ACC大西洋)は、下部ディビジョンFCSのワーグナー大に59―0で大勝。8TDを奪い、守ってはダウン更新4回の通算50ヤードに封じ込めた。

 

 ビッグ10では3位オハイオ州立大がラトガース大を49―10で圧倒、4位ミシガン大もアイオワ大に27―14で勝った。

ラトガース大戦でインターセプトを記録したオハイオ州立大のLBチェンバース(22)(ロイター=共同)
ラトガース大戦でインターセプトを記録したオハイオ州立大のLBチェンバース(22)(ロイター=共同)

 

 10位に躍進したペンシルベニア州立大は、10万5524人が集った本拠地ビーバースタジアムで5度のターンオーバーでボールを失いながらも17―7でノースウエスタン大を退けた。

 4連勝でランクインした21位ミネソタ大はパデュー大を迎えたが、10点差を追いついて迎えた第4Qに引き離され10―20で敗れた。

 

 ビッグ12では18位オクラホマ大がテキサスクリスチャン大に24―55で大敗し2連敗。敵地で臨んだオクラホマ大は、第1Qに4TDを奪われるなど前半で大差を追う展開となったが、QBディロン・ガブリエルが負傷で退き厳しい戦いとなった。オクラホマ大のレギュラーシーズン連敗は1999年以来。

オクラホマ大のDBハーモン(17)を飛び越えて前進するテキサスクリスチャン大のRBミラー(33)(ロイター=共同)
オクラホマ大のDBハーモン(17)を飛び越えて前進するテキサスクリスチャン大のRBミラー(33)(ロイター=共同)

 

 第4週でオクラホマ大に快勝し25位にランクインしたカンザス州立大は、20―20で迎えた第4QにQBエイドリアン・マルチネスの69ヤード、12ヤードの2TDランなどで37―28でテキサス工科大を振り切った。

 

 パック12は6位の南加大がアリゾナ州立大を42―25で破った。前半を4点差のリードで終えた南加大は、後半に地力を発揮して引き離した。

 12位のユタ大はオレゴン州立大に42―16で快勝。13位のオレゴン大も前半で28点差をつけてスタンフォード大を圧倒した。

 9月30日、ローズボウルスタジアムで開催の全勝対決、カリフォルニア大ロサンゼルス(UCLA)対15位ワシントン大は、ランク外のUCLAが40―32でワシントン大の反撃をかわした。

 独立校で19位につけるブリガムヤング大は9月29日、ホームでユタ州立大(マウンテンウエスト連盟=MWC)と対戦。同点で迎えた後半、3TDを挙げ38―26で勝った。

 

 131校で構成するFBS(旧ディビジョン1A)の全勝校は14となった。カンファレンス別にはSECが4校、ビッグ12が3校、ビッグ10は3校、ACCとパック12が各2校となった。