コーチとして迎える7度目のシーズン開幕 「指導の仕方」を模索中

2022年09月07日
共同通信共同通信
中村 多聞 なかむら・たもん
XリーグのIBMに加入した注目のRBジュレル・プレスリー選手(左)=中村多聞さん提供
XリーグのIBMに加入した注目のRBジュレル・プレスリー選手(左)=中村多聞さん提供

 

 2022年シーズンが開幕し、僕がコーチをしているX1エリアに所属する電通キャタピラーズは、初戦で試合終了間際にFGを決めて何とか勝ちました。一安心です。

 僕の担当しているランニングバック(RB)はまだ実戦に慣れていない初戦ではありますが、全員練習通りのパフォーマンスをして目標達成でこれまた一安心です。

 ここ数年は試合数も少なく、練習時間もいろんな邪魔が入って減ってしまったりでしたからね。

 

 さて今週はそれほど大きなテーマはないのですが、僕の日常でいろいろなことがありましたので、それについて書きたいと思います。

 

 新型コロナウイルス対策も進んで、国から国への移動も規制が緩和されてきましたので、カリフォルニアで暮らす二人の娘が里帰りしてきました。

 実は二人とも日本で歯の治療をするのが最重要目的です。アメリカだと歯の治療費がめちゃくちゃ高額だから、飛行機代を払っても日本の方が安くつくらしいです。

 

 既に就職してアメリカで会社員をしている彼女たちは、日本時間の早朝や夜中にパソコンや電話で仕事をしていました。

 学生時代だと休みで帰省してきているので、お店の手伝いなんかもたくさんしてくれたのですが、既に大人になったので家事手伝いの義務が消失していることをちゃんと知っていて、ほんの数時間しか手伝ってくれませんでした。まあ仕方ありません。

 姉妹が順番に3週間ほど帰国していましたが、既にアメリカへ帰ってしまったので、家はガランとして寂しくなってしまいました。

 

 さて次に僕自身の動きですが、アメリカンフットボール以外では二つあります。一つはお店のリニューアルオープンです。

 コロナ禍でお客様のお店に対する要求が変わってきたことに少しでも適応するためです。移転や業態変更を繰り返してきた僕のお店ですが、今は六本木で「ゴリゴリバーガー」というハンバーガー店を営んでいます。

 

 お店のコンセプトはズバリ「僕の好きな物だけを売る!」です。 NFLの試合や情報番組(生放送だけは日本のフットボール)を複数のモニターで放映し、野菜なしのバーガーとクラフトビールの種類をたくさんラインナップしています。

 「自分が通いたい店」という思いを貫いています。とはいえお寿司屋さん、お蕎麦屋さん、鰻屋さんのような歴史のある安定した老舗形式ではありませんので、時代に合わせた変化が常に必要になってきます。

 鉄板焼き屋から改装して6年が経っていますので、そろそろマイナーチェンジの時期かと思って改装しました。

 どんなふうに変化したかは、お店の商品を目当てにお越しいただいている方にしか関係ない部分ですので、ここでのご紹介は割愛させていただきます。前より少しだけですがステキになりましたよ!

 

 二つ目の動きとしまして、コーチ業に携わって今年で7シーズン目。指導カリキュラムに関しては日々アップデートを繰り返していて問題はないのですが、僕が苦手とする「指導の仕方」にも注目してみようかと思い、あるスポーツを習い始めました。

 「指導の仕方」というのは現在とてもはやっている「褒めて伸ばす作戦」だとか、「多様性を認め自由に作戦」だとかのアレです。

 

 始めたのは、全く未経験で触りもしたことのない珍しいスポーツです。自分が全くできないし知らないことを習いに行くことによって、やる気は大いにあるがうまくならない人の気持ちを経験し、そういう人にはどうやって教えるのかを体感するのが目的です。

 甘く考えているとけがをしたり命に関わることもあるでしょうから、ある程度はルールを遵守させたり間違いを正したりなど、指導する側のプロフェッショナルな部分を直に学ばせてもらおうというのが狙いです。

 まだ1度しか習いに行っていないので写真などはありません。近々ご披露できればいいかなと思っています。

 

 最後はアメフトシーズンの話に戻ります。第1節に行われたゲームをたくさん見ました。

 そこで感じたことですが、意識すれば簡単にできる、普通にできるはずのこと、誰でもできるはずの当たり前な仕事を、フィールドに出ている11人全員がやり遂げられなかったり成功させられないチームが負けていますね。

 

 ゲーム中に劣勢のチームでも、11人全員がきちんと自分の仕事をしているプレーに関しては、強い相手だったとしてもうまくいっていますし、その逆も大いにあります。

 まだプレーが終わっていないのに、自分が何をすべきなのか分からないのでしょう。動きを止めてしまっている人(よく言う笛が鳴る前に動きを止めているってやつですね)の多いチームは必ず敗北します。

 

 未熟な選手ほど小難しく複雑な作戦が好きなんですね。プレーの始まりから終わりまでの数秒間、想定内の時はまあまあきちんと仕事をしていますが、想定外のことが起こってしまうと頭と体が止まってしまうか、正しく仕事ができないというシーンを多く目撃しました。

 

 アメフトの競技特性として、全ての選手はプレー毎に最初の動きや狙いを細かく命じられています。

 僕の大学時代のようにレベルの低すぎるチームの場合は、この部分をそもそも練習していませんし訓練されていません。理解をしていないので、遂行しようとも思っていません。それぞれの考えでプレーしているだけです。

 

 これが高いレベルのチームになってくると、最初の1歩目の距離や幅、角度にタイミングに強さなど全てが規定されています。これはとても重要です。

 中堅チームはこの部分の練習をおろそかにしがちですね。しかし、もっと重要なのはその少しあとの動きです。

 自分の動きに対して反応した敵の動きに、こちらもリアクションする必要があります。この部分の「賢さとうまさ」を持つ選手が少ないと、どうしても強いチームを相手に連勝する、つまり優勝までには至りません。

 

 どんなことが起こってもその時に考えられる中でベストな仕事を選択して遂行できないのであれば、結局それは良い作戦と言えないと思います。

 机上の作戦数は少なくても、作戦の始まりから終わりまで仕事をしっかり遂行できる対応方法、いわゆる「引き出し」を多く持っていればそれが作戦数の豊富さにつながるのです。

 そんなことを考えながら、娘たちがいなくなって静かな家で日本のフットボールを見ながら考えていました。

 

 今週末はXリーグも最高峰のX1スーパーが開幕します。僕のお店「ゴリゴリバーガー」とパートナーシップ契約をしているIBMビッグブルーに、NFLのプレシーズンゲームでタッチダウンを記録したことのあるRBジュレル・プレスリー選手が加入したのは、皆さんご存知でしょう。

 名前をネットで検索すると山ほど情報が出てきますよ。僕も本物のRBがどんなプレーをするのか非常に楽しみです。