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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

絶対的エースの後継者は誰? スティーラーズの先発QB争いに注目

2022.7.29 10:54 生沢 浩 いけざわ・ひろし
スティーラーズの先発QB争いで一歩リードするミッチ・トゥルビスキー(AP=共同)
スティーラーズの先発QB争いで一歩リードするミッチ・トゥルビスキー(AP=共同)

 

 NFLのトレーニングキャンプが始まった。今年は10チームで新ヘッドコーチ(HC)が誕生するという大きな変革があったが、それぞれのチームの新体制がこのトレーニングキャンプから本格的に始動する。

 

 スティーラーズはHCこそ変わらないが、2004年から絶対的なエースQBだったベン・ロスリスバーガーが引退して初のシーズンを迎える。

 今季の先発QBはトレーニングキャンプとプレシーズンの結果を踏まえて決定される。

 

 スティーラーズには現在4人のQBが登録されているが、QB争いの資格が与えられるのはメイソン・ルドルフ(2018年ドラフト3巡)、ミッチ・トゥルビスキー(2017年ベアーズから1巡指名)、新人のケニー・ピケット(1巡)だ。

 ピケットに関してスティーラーズは実戦投入を急がない方針なので、事実上はルドルフとトゥルビスキーのスターター争いとなる。

 

 ルドルフはスティーラーズ生え抜きで、マット・カナダ攻撃コーディネーターの方針を一番よく知っているという点で優位に立つ。

 スティーラーズでも10試合の先発経験がある。派手さはないが堅実なプレーが評価されるQBだ。彼は今季が契約の最終年にあたり、先発争いに敗れれば遅かれ早かれ移籍を余儀なくされるという危機感がある。

 

 トゥルビスキーはベアーズで先発を務めたが、期待されたほどの結果を出せずに2020年シーズンを最後に退団し、昨年はビルズでバックアップを務めた。

 先発経験ではルドルフに優るが、実績面で大きくリードしているとは言いがたい。

 パスに安定感を欠き、ポジション獲得には高いレベルでのパフォーマンスが必要とされる。

 

 キャンプ序盤ではトゥルビスキーが1番手扱いで、他のポジションの先発クラスとユニットを組んでいる。

 ルドルフは2番手で、ピケットはチーム残留のボーダーラインにいる選手に混じってトレーニングキャンプに参加している。

スティーラーズの新人QBケニー・ピケット(AP=共同)
スティーラーズの新人QBケニー・ピケット(AP=共同)

 

 近年は1巡指名のQBは1年目から先発起用されるケースが多いが、ピケットはそうはならないようだ。

 しかし、彼自身ものんびりとはしていられない。ロスリスバーガーも最初のプランでは1年目に出場機会が与えられる予定ではなかった。それが先発QBトミー・マドックスの負傷欠場によってチャンスが巡ってきたのだ。同じことがピケットに起こる可能性はある。

 

 スティーラーズのキャンプで最後に先発QB争いが行われたのは2002年。コーデル・スチュワートとマドックスの競争だった。それを思うと隔世の感がある。

 不動のエースQBが存在した過去20年と全く違う夏をスティーラーズは実感することだろう。

生沢 浩 いけざわ・ひろし

名前 :生沢 浩 いけざわ・ひろし

プロフィール:1965年生まれ。上智大卒。英字新聞ジャパンタイムズの運動部長を経て現在は日本社会人アメリカンフットボール協会の事業部広報兼強化部国際戦略担当。大学時代のアメリカンフットボール経験を生かし、フットボールライターとしても活動。NHKーBSや日テレG+でNFL解説者を務める。大学時代のポジションはRB。日本人で初めて「Pro Football Writers of America」の会員となる。

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