【編集後記】Vol.399=「関関戦」

2022年06月02日
共同通信共同通信
宍戸 博昭 ししど・ひろあき
非凡な才能を発揮する、関大の2年生QB須田啓太選手(8)=撮影:アメフト写真館・山口雅弘
非凡な才能を発揮する、関大の2年生QB須田啓太選手(8)=撮影:アメフト写真館・山口雅弘

 

 大学王者・関学大をライバル関大が追い詰める。恒例の「関関戦」をテレビ中継で見た。

 近年、優勝を狙える戦力がありながら関西学生リーグで3位に甘んじている「カイザーズ」が「ファイターズ」と7―7で引き分けた。

 

 強豪チームの元コーチが「(2020年度まで活躍した)関学の奥野君と日大の林君に匹敵する逸材」と絶賛する関大の2年生QB須田啓太選手は、非凡な才能を存分に発揮していた。

 勝ちにいくのか、それとも引き分けでいいのか。試合終盤のベンチワークには疑問が残ったが、チームとして秋の本番に向けて自信になったに違いない。

 

 ただ、関大のオフェンスはランで191ヤードを獲得したものの、パスはわずか36ヤードに終わった。

 「ショート、ミドルのパスを確実にキャッチできる大型TEが欲しい」。懇意にしている関大OBの試合後の感想である。

 

 「甲子園ボウル」(全日本大学選手権決勝)で4連覇中(2020年は東西大学王座決定戦)の関学大にとっては、今年のチームの課題が浮き彫りになった一戦だった。

 

 ラン100ヤード、パス197ヤードと低調だった攻撃について、関学大の大村和輝監督は、関学スポーツの取材にこう答えている。

 「(ランプレーは)オフェンスが無理をしても出さないといけない。フォースダウンでギャンブルを選択した結果、TDを取れなかった。ここを取れるか取れないかで秋に関わってくる。今回はオフェンスのミス。合宿でさらにチームを濃くしていかないとと思っている」

引き分けた関大戦で戦況を見詰める関学大の大村和輝監督=撮影:アメフト写真館・山口雅弘
引き分けた関大戦で戦況を見詰める関学大の大村和輝監督=撮影:アメフト写真館・山口雅弘

 

 過去に甲子園ボウルでは関学大(1973~77年)と日大(1978~82年)が歴代最多の5連覇を達成している。

 ともにその間リーグ戦で苦戦しているが、勝負所で底力を発揮して王座を守ってきた。

 

 今年の関西学生リーグは、1位だけが全日本大学選手権の西日本代表決定トーナメントに進出する。2、3位でもチャンスがあった昨年までとは違う。

 

 毎年優勝争いをしている関学大と立命大の間に関大が割って入る構図は、京大なども絡んで群雄割拠だったかつての関西学生リーグを思い出させる。秋のシーズンが今から楽しみだ。(編集長・宍戸博昭)