ベンガルズ対ラムズ、見どころ多い接戦に期待 第56回スーパーボウル

2022年02月10日
共同通信共同通信
生沢 浩 いけざわ・ひろし
ベンガルズオフェンスの若き司令塔QBジョー・バーロウ(AP=共同)
ベンガルズオフェンスの若き司令塔QBジョー・バーロウ(AP=共同)

 

 NFLの2021年シーズンの王者を決める「第56回スーパーボウル」ベンガルズ対ラムズは、日本時間の2月14日午前8時30分にキックオフを迎える。

 舞台となるのはロサンゼルス郊外にあるソーファイスタジアムだ。NFC代表のラムズは昨年のバッカニアーズに続き、自身のホームスタジアムで王座決定戦に臨む。

 ただし、この試合に関しては規定上AFC代表のベンガルズがホームチームの扱いとなり、カラージャージー(ベンガルズは黒ジャージーを選択)を着用する。

 

 ベンガルズは2年目のQBジョー・バーロウ、彼のルイジアナ州立大時代からのチームメートで新人のWRジャマー・チェイスに象徴されるように、若手が中心となって勝ち上がってきた。

 前回のスーパーボウル出場時(1988年シーズン)に生まれていた選手は、パンター(P)ケビン・フーバーとロングスナッパー(LS)クラーク・ハリスしかいない。

 

 対するラムズは34歳の先発QBマシュー・スタッフォード、元ベンガルズのOTアンドルー・ウィトワース、7年連続オールプロ選出のDTアーロン・ドナルドらこれまで優勝に縁がなかったベテラン勢が多く在籍する。

 スタッフォードやLBボン・ミラー、WRオデル・ベッカムJr.ら今季の移籍組が活躍しているのも特徴だ。

NFL13年目で初のスーパーボウル出場を果たしたラムズのQBマシュー・スタッフォード(9)(AP=共同)
NFL13年目で初のスーパーボウル出場を果たしたラムズのQBマシュー・スタッフォード(9)(AP=共同)

 

 若きベンガルズの初戴冠か、それともベテラン勢がラムズに22年ぶりの優勝をもたらすのか。ともに第4シードで、カンファレンスの決勝ではいずれも二桁以上の得点差をひっくり返しての逆転勝利でスーパーボウル進出を決めた。

 戦前の予想が難しく、見どころの多い接戦が期待される好カードだ。

 

 ▽ベンガルズオフェンス対ラムズディフェンス

 ベンガルズオフェンスの最大の武器は、バーロウとチェイスの「ホットライン」だ。

 今季1455ヤードレシーブで新人記録を更新したチェイスは、プレーオフでもその勢いが止まらず、3試合で279ヤード(これもルーキーでは最多)を稼いだ。

 ディフェンスの厳しいマークを受けているにもかかわらず結果を出し続けている。

 

 ただ、チェイスと並んでバーロウの重要なターゲットであるTEのC.J.ウゾマーがチーフスとのAFC決勝で左膝を痛めて戦列離脱中だ。

 復帰できたとしても試合前に1、2回しか練習機会がないと見られ、万全の体調での試合出場は望めない。ウゾマーの脅威が軽減されるとすればラムズには付け入る余地がある。

 

 ラムズはドナルド、ミラーらが強力なパスラッシュをかけるだけでなく、セカンダリーではCBジェイレン・ラムジーのパスカバー力が光る。

 ドナルドは今季12.5サックをマークし、ミラーはNFC決勝の49ers戦で途切れるまでポストシーズンで4試合連続のQBサックを記録していた(ブロンコス時代を含む)。

第56回スーパーボウルのキックオフを待つソーファイスタジアム(AP=共同)
第56回スーパーボウルのキックオフを待つソーファイスタジアム(AP=共同)

 

 ラムズディフェンスにとってはフロントからのラッシュでバーロウのパスにプレッシャーをかけたいところだが、ベンガルズはRBジョー・ミクソンをフィーチャーしたラン攻撃も強力だ。

 ラムズはランディフェンスが弱点であり、ここをいかに克服するかが重要になる。

 

 ▽ラムズオフェンス対ベンガルズディフェンス

 ラムズのオフェンスもスタッフォードの強肩を活かしたパスが核となる。

 エースWRは何といってもクーパー・カップだ。今季パスキャッチ数、獲得距離、TD数でリーグトップとなり、史上4人目の「3冠」を達成した。

 3年前のスーパーボウルでは故障で出場できなかっただけに、今回にかける思いは強い。

 カップのほかダイナミックなキャッチを見せるベッカムJr.もシーズン後半から重要な存在となっている。

 TEタイラー・ヒグビーは膝の故障から回復を目指していて、彼が欠場するようならファーストダウン更新やエンドゾーンでの攻防でターゲットが一人減ってしまう。

 

 ベンガルズのディフェンスはプレーオフで6選手がそれぞれインターセプトを記録するなど、ターンオーバーで試合の流れをつかんできた。

 Sボン・ベルがチーフスのQBパトリック・マホームズのパスをインターセプトして決勝FGにつなげたことは記憶に新しい。

 今季14サックのDEトレイ・ヘンドリクソンが前列からプレッシャーをかければインターセプトのチャンスが生まれる。

 スタッフォードは今季のポストシーズンでの被インターセプトは1。それもディフレクトされたことによる不運なものだけで安定している。

 しかし、シーズン最終4試合で8回もインターセプトされた時期もあるなど、リズムが崩れるとターンオーバーを起こしてしまう傾向がある。ベンガルズとしては当然狙ってくる部分だ。

 

 ▽スペシャルチーム

 こちらはほぼ互角と言っていいだろう。ベンガルズのフーバーはパントで平均ネットヤードが41ヤード(キックの飛距離とリターンされた距離の差)でラムズのPジョニー・ヘッカーは42.6ヤードだ。

 Kではベンガルズの新人エバン・マクファーソン(今季48回中46回成功)とラムズのマット・ゲイ(49回中48回)がプレーオフで決勝FGを決めており、ここぞという場面で安心して3得点を計算できる存在だ。

スーパーボウルでの采配が注目されるラムズのショーン・マクベイHC(AP=共同)
スーパーボウルでの采配が注目されるラムズのショーン・マクベイHC(AP=共同)

 

 今年のプレーオフは、ディビジョナルラウンド以降はいずれも7点差以内で決着する接戦が続いている。

 最終戦となるスーパーボウルも、最後まで勝敗の分からないスリリングな好ゲームを期待したい。