レベルの高い攻防に期待 NFLカンファレンス決勝見どころ

2022年01月28日
共同通信共同通信
生沢 浩 いけざわ・ひろし
プレーオフ準決勝のビルズ戦でスクランブルでロングゲインするチーフスのQBパトリック・マホームズ(15)(AP=共同)
プレーオフ準決勝のビルズ戦でスクランブルでロングゲインするチーフスのQBパトリック・マホームズ(15)(AP=共同)

 

 NFLのプレーオフもいよいよ佳境に入り、第56回スーパーボウル(2月13日=日本時間14日・ロサンゼルス・ソーファイスタジアム)への出場権をかけて、4強が日本時間の1月31日に行われるカンファレンス決勝で顔を合わせる。

 

 AFCは1988年シーズン以来のカンファレンス決勝進出となったベンガルズ(北地区優勝)と、3年連続のスーパーボウル出場を狙うチーフス(西地区優勝)がポストシーズンで初めて対戦する。

チーフスの「ビッグプレーメーカー」WRタイリーク・ヒル(AP=共同)
チーフスの「ビッグプレーメーカー」WRタイリーク・ヒル(AP=共同)

 NFCは西地区のディビジョン対決で、優勝のラムズが同地区3位で第6シードから勝ち上がってきた49ersを迎え撃つ。

 

 いずれも前週の準決勝(ディビジョナルプレーオフ)で劇的な勝利を収めてきたチームばかりで、勢いに乗っている。

 しかも、両カンファレンス決勝はともにレギュラーシーズン終盤のリマッチで、相手の手の内もよく分かっている。カンファレンスの頂上決戦にふさわしいレベルの高い攻防が期待できる。

 

 ▽ベンガルズ(12勝7敗)@チーフス(14勝5敗)

 チーフスは4年連続でカンファレンス決勝をホームで開催するというNFL史上初の快挙を達成。QBパトリック・マホームズを中心としたオフェンスはタレントが豊富で「黄金時代」の到来と言ってもいい。

 

 一方のベンガルズはQBジョー・バーロウと新人WRジャマー・チェイスのホットラインが最大の武器で、NFL経験の浅い選手が牽引する勢いのあるチームだ。

 ともにオフェンス主導のチームなだけに、そこをいかに封じるかが勝敗の鍵となる。

 

 とはいっても、マホームズは脚力がありパスラッシュがほとんど効果を発揮しないだけでなく、TEトラビス・ケルシー、WRタイリーク・ヒルらレシーバー陣はディフェンスのカバーの切れ目を巧みに突くことができる。

 ベンガルズにとってこのパスオフェンスを完全に止めるのは至難の業で、一回でも多くターンオーバーやパントに追い込むことでチーフスの攻撃機会を減らしたい。

 

 ベンガルズオフェンスはチェイスのほかにもWRティー・ヒギンズやTEのC・J・ウゾマーら有能なレシーバーが多い。

ベンガルズの若き司令塔QBジョー・バーロウ(9)(AP=共同)
ベンガルズの若き司令塔QBジョー・バーロウ(9)(AP=共同)

 彼らへのパスを封じることは不可能なので、チーフスディフェンスとしてはビッグプレーを許さずゲインを最小限にとどめて失点を防ぎたい。

 この2チームは第17週にシンシナティで対戦しており、この時はホームのベンガルズが34―31で勝利した。

 

 ▽49ers(12勝7敗)@ラムズ(14勝5敗)

 同地区のライバルとして長い歴史を持つ両チームだが、プレーオフでの対決はこれが2度目。前回は1989年のシーズンで49ersが勝ってチーム史上4度目のスーパーボウル出場を果たした。

 手の内をよく知る相手ではあるが、ラムズにとっては6連敗中の嫌な相手でもある。直近の対戦では第18週にオーバータイムの末に49ersが勝利してプレーオフ出場を決めた。

 

 49ersはポストシーズンに入ってからカウボーイズ戦とパッカーズ戦でディフェンスがチームを引っ張っている。

パスラッシャーとして非凡な才能を発揮する49ersのDEニック・ボサ(AP=共同)
パスラッシャーとして非凡な才能を発揮する49ersのDEニック・ボサ(AP=共同)

 ニック・ボサ、アリック・アームステッドを擁するDL陣はパスラッシュ、ランストップともに強力だ。ディフェンスが相手の得点を抑え、接戦に持ち込むことに成功している。

 ラムズのQBマシュー・スタッフォードはポケットパサーなので、フロントからのパスラッシュは効果がある。

 

 ラムズはスタッフォードをはじめ、WRオデル・ベッカムJr.やLBボン・ミラーら今季の移籍組が力を発揮している。

 特にミラーはディビジョナルプレーオフのバッカニアーズ戦でQBサック、ファンブル誘発とリカバーをマークして勝利に貢献した。

 それでも、ラムズの武器はやはりパスオフェンスだ。WRクーパー・カップはパスキャッチ数(144)、獲得距離(1947ヤード)、TDパスキャッチ数(16)でいずれもリーグトップとなり「3冠」を達成した。

 カップが普段通りに生産性の高いパフォーマンスを披露できるか否かが試合を左右するだろう。

 

 残っている4チームのうち、前回のスーパーボウル出場から最も長い年月が経っているのがベンガルズで、実現すれば31年ぶりとなる。ラムズは3年ぶり、49ersは2年ぶりの出場を目指す。

自身初のスーパーボウル出場を目指すラムズのQBマシュー・スタッフォード(AP=共同)
自身初のスーパーボウル出場を目指すラムズのQBマシュー・スタッフォード(AP=共同)

 

 前年王者のバッカニアーズが既に敗退したことで連覇の可能性はなくなり、17季連続で新チャンピオンが誕生することになる。

 ここまで長期にわたって連覇が達成されないのは、56回目を迎えるスーパーボウルの歴史でも初めてのことだ。それだけNFLの目指す戦力均衡が実現されているという証でもある。