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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

第1シードのタイタンズ、パッカーズが登場 NFLプレーオフ準決勝見どころ

2022.1.21 11:45 生沢 浩 いけざわ・ひろし
安定感を示しオフ中の退団騒動を払しょくしたパッカーズのQBアーロン・ロジャーズ(AP=共同)
安定感を示しオフ中の退団騒動を払しょくしたパッカーズのQBアーロン・ロジャーズ(AP=共同)

 

 NFLのポストシーズンは、1月22、23日(日本時間23、24日)に準決勝(ディビジョナルプレーオフ)を行う。

 このラウンドから両カンファレンスの第1シード、タイタンズ(AFC)とパッカーズ(NFC)が登場する。

戦列に復帰する見通しのタイタンズのエースRBデリック・ヘンリー(AP=共同)
戦列に復帰する見通しのタイタンズのエースRBデリック・ヘンリー(AP=共同)

 

 レギュラーシーズンが1試合増えて17試合となった今季は、この1週間の休養は大きな意味を持つ。ベテラン選手や故障者にとっては貴重な回復時期でもある。

 そのアドバンテージをタイタンズとパッカーズが生かすことができるか、それとも勝ち上がりのチームが1回戦突破の勢いを継続するのか。カンファレンス決勝進出をかけた戦いが始まる。

 

 ▽ベンガルズ@タイタンズ

 前週にレイダーズを破って31年ぶりのプレーオフ勝利を手にしたベンガルズは、今季12勝5敗で2008年以来のAFC第1シードとなったタイタンズとの一戦に臨む。

 ベンガルズはQBジョー・バーロウと新人WRジャマー・チェイスのホットラインがポストシーズンでも好調だ。

レイダーズ戦でパスを好捕するベンガルズのWRジャマー・チェイス(1)(AP=共同)
レイダーズ戦でパスを好捕するベンガルズのWRジャマー・チェイス(1)(AP=共同)

 レイダーズ戦でバーロウはパス成功率70・6%で2TDパスを成功させ、パサーレーティング110・4という高い数字を記録した。

 チェイスも9回のパスキャッチで、ベンガルズのプレーオフ記録となる116ヤードを稼いだ。ともにプレーオフ初出場とは思えないほどの安定した活躍で、若手中心のチームには勢いがある。

 

 タイタンズはRBデリック・ヘンリーが足の骨折から復帰する見込みだ。ヘンリーはレギュラーシーズン第8週で負傷し、戦列を離れていた。

 故障前は今季のNFL最多である1試合平均117・1ヤードラッシュをマークしており、タイタンズにとっては待望のエースの復活だ。

 ベンガルズの空中戦に対して地上戦で対抗するだけの役者はそろっている。タイタンズが勝てば2年ぶり、ベンガルズが勝てば最後にスーパーボウルに出場した1988年シーズン以来のAFC決勝進出となる。

 

 ▽49ers@パッカーズ

 プレーオフでの両チームの顔合わせは9回目となり、ラムズ対カウボーイズと並んでNFL最多だ。過去の対戦成績は4勝4敗の五分だが、直近では49ersが3連勝中だ。

 

 49ersの注目選手はWRディーボ・サミュエルだ。本職のレシーバーだけでなく、バックフィールドからのランプレーでも才能を発揮する。1回戦のカウボーイズとの試合でも72ヤードラッシュ、1TDランで勝利に貢献した。

49ersの「切り札」的存在、WRディーボ・サミュエル(19)(AP=共同)
49ersの「切り札」的存在、WRディーボ・サミュエル(19)(AP=共同)

 QBジミー・ガロポロが右手親指と右肩に故障を抱え万全ではないだけに、サミュエルのランプレーはオフェンスの有効な武器となる。

 脳しんとうでカウボーズ戦を途中退場したDEニック・ボーサは出場する見込み。

 

 今季のパッカーズは3年連続で13勝を挙げ、さらにホームではリーグでただ一チーム無敗という安定した強さを誇る。

 QBアーロン・ロジャーズは今季、37TDパスに対し被インターセプトはわずかに4回で、昨年オフの退団騒動を完全に払しょくする活躍ぶりだ。ナンバーワンターゲットのWRダバンテ・アダムスとのコンビで試合を優位に進めたい。

 

 当日のキックオフ時(現地時間午後8時15分)の気温は氷点下10度の予報で、試合が進むにつれてさらに下がる見込みとなっており、ランボーフィールド特有の寒い気候での戦いとなりそうだ。

 

 ▽ラムズ@バッカニアーズ

 この試合は現在のNFLを代表する二人の好パサーの対決だ。ラムズのマシュー・スタッフォードは通算4万9995ヤードをパスで獲得しているが、プレーオフでの勝利を味わったのは先週が初めてだ。

カージナルスとの1回戦でプレーオフ初勝利を味わったラムズのQBマシュー・スタッフォード(AP=共同)
カージナルスとの1回戦でプレーオフ初勝利を味わったラムズのQBマシュー・スタッフォード(AP=共同)

 ライオンズ時代は勝ち星に恵まれなかったが、移籍してようやく本来の能力とチームの成績が見合う形となった。今季もNFL2位の41TDパスを成功させる活躍だった。

 

 そのスタッフォードを上回るTDパス数(43)を記録したのがバッカニアーズのトム・ブレイディだ。

 この二人がポストシーズンゲームで顔を合わせるのはもちろん今年が初めてだが、シーズンで40以上のTDパスを成功させたQB同士が対戦したプレーオフは過去に2回ある。

 ともにブレイディもしくはスタッフォードのどちらかが出場しているのだが、ともに両チーム合計で57得点以上というハイスコアゲームとなっている。

レギュラーシーズンの好調を維持するバッカニアーズのQBトム・ブレイディ(AP=共同)
レギュラーシーズンの好調を維持するバッカニアーズのQBトム・ブレイディ(AP=共同)

 これに対するパスディフェンスはバッカニアーズがリーグ21位、ラムズが22位とともに振るわない。

 ただし、QBサック数はラムズが50(3位)、バッカニアーズが47(7位)と好成績を残している。QBをいかに守れるかが勝敗の鍵を握ることになりそうだ。

 

 ▽ビルズ@チーフス

 昨年のAFC決勝のリマッチである。昨年はチーフスが38―24で勝っている。今季はビルズが1試合平均28・4得点(リーグ3位)、チーフスが28・2得点(4位)とこちらもハイスコアの試合が予想される。

抜群のボディーバランスでパスを決めるチーフスのQBパトリック・マホームズ(15)(AP=共同)
抜群のボディーバランスでパスを決めるチーフスのQBパトリック・マホームズ(15)(AP=共同)

 加えてビルズのQBジョシュ・アレンもチーフスのQBパトリック・マホームズも前週の試合で5TDパスを成功させるなど好調で、見ごたえのある点取り合戦が展開されそうだ。

 

 ポストシーズンでのこの2チームの対戦は過去に4回あり、戦績は2勝2敗。過去の対戦では、勝った方がそのままスーパーボウルに進出している。

生沢 浩 いけざわ・ひろし

名前 :生沢 浩 いけざわ・ひろし

プロフィール:1965年生まれ。上智大卒。英字新聞ジャパンタイムズの運動部長を経て現在は日本社会人アメリカンフットボール協会の事業部広報兼強化部国際戦略担当。大学時代のアメリカンフットボール経験を生かし、フットボールライターとしても活動。NHKーBSや日テレG+でNFL解説者を務める。大学時代のポジションはRB。日本人で初めて「Pro Football Writers of America」の会員となる。

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