本命不在の混戦模様 NFLプレーオフ1回戦見どころ

2022年01月14日
共同通信共同通信
生沢 浩 いけざわ・ひろし
レーベンズ守備陣の激しいタックルを受けるスティーラーズのQBベン・ロスリスバーガー(AP=共同)
レーベンズ守備陣の激しいタックルを受けるスティーラーズのQBベン・ロスリスバーガー(AP=共同)

 

 NFLのプレーオフが、1月15日(日本時間16日)から始まる。

 昨シーズンからプレーオフ進出チームは各カンファレンスから7チームずつとなり、1回戦に相当する「スーパーワイルドカード」ラウンドにはトップシードのタイタンズとパッカーズ以外の12チームが登場し、3日間にわたって6試合が行われる。

 

 今季はレイダーズ、ベンガルズ、カージナルスのように5、6年のブランクを経てプレーオフ出場を決めたチームもあれば、過去5年間のスーパーボウル出場チームが六つもあるなど顔ぶれが多彩だ。

 

 例年以上に混戦が続き、これといった本命がいないのも今年のポストシーズンの特徴かもしれない。

 通常であれば12~1月に高勝率を挙げてその勢いのままプレーオフで勝ち進むチームが現れるのだが、そういったチームも見当たらない。

 それだけに混とんとしたプレーオフになりそうだ。ここから2月13日の第56回スーパーボウル(ロサンゼルス、ソーファイスタジアム)まで負ければ終わりのトーナメントが始まる。

 

 ▽レイダーズ(10勝7敗)@ベンガルズ(10勝7敗)

 過去の不適切な内容の電子メールが露見してジョン・グルーデン氏がシーズン中にヘッドコーチ(HC)を辞任したり、WRヘンリー・ラッグス3世が重大な危険運転の加害者になったりするなどの逆境を克服してきたレイダーズは、5年ぶりのプレーオフ進出だ。

 直近の4試合は、試合の終盤に逆転勝ちするなど粘り強さが持ち味である。ベテランの域に入ったQBデレク・カーのリーダーシップも勝利には不可欠だ。

 

 ベンガルズは新人ジャマー・チェイスが早くもNFLトップクラスのWRに成長し、QBジョー・バーロウ、RBジョー・ミクソンとともにオフェンスを支える。

 若い選手の多いチームは、プレーオフ経験の少なさがどう影響するかという不安もある。

 ベンガルズは過去31年間、レイダーズも2003年を最後にプレーオフでの勝利がない。どちらがプレーオフのスランプに終止符を打つかも注目される。

 
レイダーズのオフェンスをリードするQBデレク・カー(4)(AP=共同)
レイダーズのオフェンスをリードするQBデレク・カー(4)(AP=共同)

 

 ▽ペイトリオッツ(10勝7敗)@ビルズ(11勝6敗)

 ペイトリオッツのビル・ベリチックHCにとっては、長年チームを支えたQBトム・ブレイディ不在で臨む初めてのプレーオフだ。

 新人QBマック・ジョーンズの活躍もあり、2年ぶりにこの舞台に帰ってきたのはさすがと言っていい。

 ただし、今のペイトリオッツは7連勝の後は1勝3敗と勢いに陰りが見える。今年のビルズとの対戦はお互いに相手の本拠地で勝って1勝1敗だ。

 

 ビルズは昨年もAFC決勝に進出しており、主力選手のほとんどがプレーオフを経験済みだ。

 当日のバファローは最低気温が氷点下16度の予報で、現地時間午後8時15分開始の試合は寒さもプレーに影響しそうだ。

ペイトリオッツの2年ぶりのプレーオフ進出に貢献したQBマック・ジョーンズ(AP=共同)
ペイトリオッツの2年ぶりのプレーオフ進出に貢献したQBマック・ジョーンズ(AP=共同)

 

 ▽イーグルス(9勝8敗)@バッカニアーズ(13勝4敗)

 今季のイーグルスは2勝5敗のスタートから後半にチームが大きく改善した。2年目のQBジェイレン・ハーツに負担をかけないように、ラン中心のオフェンスに転換したことが功を奏した。

 

 バッカニアーズはQBブレイディが44歳にしてパス獲得距離で自己最高の5316ヤードを記録するなど盤石だ。

 ただ、昨年のこの時期と違うのは故障者が続出していることで、その影響がどう出るかが懸念される。バッカニアーズがスーパーボウルで連覇を達成すれば2003~04年のペイトリオッツ以来で史上9例目となる。

44歳になっても進化を続けるバッカニアーズのQBトム・ブレイディ(AP=共同)
44歳になっても進化を続けるバッカニアーズのQBトム・ブレイディ(AP=共同)

 

 ▽49ers(10勝7敗)@カウボーイズ(12勝5敗)

 両チームがプレーオフで対戦するのは通算8度目だが、実に27年ぶりだ。

 49ersはQBジミー・ガロポロが右手親指の靱帯断裂からレギュラーシーズン最終週に復帰し、ラムズを相手に17点差をひっくり返す逆転劇を演出してプレーオフ出場を決めた。その勢いを維持してカウボーイズ戦に臨みたい。

 

 対するカウボーイズはQBダック・プレスコットが最終戦で5TDパスを成功させるなど好調だ。

 新人LBマイカ・パーソンズが急成長して強化されたディフェンスと49ersのランオフェンスのマッチアップは見ものだ。

イーグルスとの最終戦で5TDパスを記録したカウボーイズのQBダック・プレスコット(AP=共同)
イーグルスとの最終戦で5TDパスを記録したカウボーイズのQBダック・プレスコット(AP=共同)

 

 ▽スティーラーズ(9勝7敗1分け)@チーフス(12勝5敗)

 「負ければ終わり」はそのままスティーラーズのQBベン・ロスリスバーガーの現役生活にも当てはまる。

 今季限りでの引退が濃厚なロスリスバーガーを擁するスティーラーズは、レギュラーシーズン最終戦でレーベンズに勝ち、今季2勝しかしていないジャガーズが9勝のコルツを破り、さらにレイダーズとチャージャーズが引き分けないという難しい条件をすべてクリアして第7シードに滑り込んだ。

 この幸運が3年連続のスーパーボウル出場を目指すチーフスに対しても効力を発揮するかが見どころだ。

 

 ▽カージナルス(11勝6敗)@ラムズ(12勝5敗)  

 10月下旬まで開幕7連勝で独走態勢にあったカージナルスだが、残念ながら今のチームに当時の勢いはない。特に直近の5試合は1勝4敗と調子を落としている。

 エースRBジェームズ・コナーが最終戦で脇腹を痛めて途中退場したのも懸念材料だ。

 QBカイラー・マレーが足首をねんざする前の超人的なパフォーマンスを取り戻せるかが重要だ。

 

 ラムズはレシーブ回数、獲得距離、TDパスキャッチ数でリーグ1位に輝いた「3冠王」WRクーパー・カップとQBマシュー・スタッフォードのホットラインが武器だ。

 ライオンズからトレードで移籍した18年目のスタッフォードにとっては、自身初のプレーオフでの勝利が懸かった試合となる。

足首の故障が懸念されるカージナルスのQBカイラー・マレー(AP=共同)
足首の故障が懸念されるカージナルスのQBカイラー・マレー(AP=共同)