×
メニュー 閉じる メニュー
スポーツ

スポーツ

週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

注目の一戦、オービック対パナソニック X1スーパー第5節

2021.10.27 12:42 生沢 浩 いけざわ・ひろし
第3節のIBM戦でボールを持って前進するパナソニックのRB藤本拓弥(10月3日・エキスポフラッシュフィールド)=Xリーグ提供
第3節のIBM戦でボールを持って前進するパナソニックのRB藤本拓弥=10月3日、万博フィールド(Xリーグ提供)

 

 国内アメリカンフットボールリーグの最高峰、日本社会人XリーグのX1スーパーは、今週末にレギュラーシーズンの第5節を行う。

 残り3節となり、いよいよ富士通フロンティアーズ、オービック・シーガルズ、パナソニック・インパルスの上位チームが直接対決するクライマックスを迎える。

 

 第5節の注目カードは、パナソニック対オービック(10月31日・大阪市ヨドコウ桜スタジアム)だ。

 ともに4勝0敗で順調に勝ち進んできており、1点差で決着した昨年同様の熱戦が期待される。

 

 前年王者のオービックは、最近2試合を完封勝ちするなどディフェンスが強力だ。

 全体的にスピードのあるユニットだが、特に岩本卓也(日大)成瀬圭汰(名大)らを擁するLB陣は守備範囲が広く、確実なタックルで相手のゲインを最小限にとどめる。

 また、DB久保颯(早大)小椋拓海(関学大)の2回を筆頭に4人のディフェンダーがインターセプトを記録するなど、ビッグプレーを生む能力にもたけている。

 

 対するパナソニックは、不戦勝を除く3試合での平均得点が53・3と群を抜いており「パワーハウス」と呼ぶにふさわしい。

 RBミッチェルジャモー(バージニア大ワイズ校)と藤本拓弥(龍谷大)がそれぞれ4つのラッシングTDをマークし、立川玄明(立命大)がパワーランを展開するなど地上戦の破壊力がある。

 QBアンソニー・ローレンス(サンディエゴ大)はWR木戸崇斗(関学大)や新人のブレナン翼(早大)らをターゲットとして安定したパスオフェンスを見せる。

 

 今季はブレナンやLB青根奨太(関大)ら新加入選手の活躍が目立つのもパナソニックの特徴だ。チーム補強が目に見える成果を出している。

 

 昨年は最後まで目の離せない大接戦を演じた。一時は7―21とされたパナソニックが後半に猛攻を見せて34―28と逆転。第4クオーター半ばにオービックがTDを挙げて35―34と再逆転するが、本当のドラマはこの後に待っていた。

最近2試合で相手を完封しているオービックのディフェンス陣(対東京ガス、10月17日・富士通スタジアム川崎)=Xリーグ提供
最近2試合で相手を完封しているオービックのディフェンス陣(対東京ガス、10月17日・富士通スタジアム川崎)=Xリーグ提供

 

 パナソニックは残り試合時間が1分を切ってゴール前1ヤードまで攻め込む。

 ところが、TDを狙ったプレーでローレンスが痛恨のファンブルを犯してしまう。これをオービックの成瀬がリカバーして逃げ切った。

 何度も日本一を経験しているオービックの大橋誠ヘッドコーチが「長いフットボール人生で経験したことがない」と語るほど緊迫した試合だった。

 

 連覇を目指すオービックと6年ぶりの社会人王座を目指すパナソニック。セミファイナル(12月12日・横浜スタジアム、ヤンマースタジアム長居)の出場権と、その先の日本選手権(ライスボウル=2022年1月3日・東京ドーム)を見据え、両チームとも譲れない一戦だ。

生沢 浩 いけざわ・ひろし

名前 :生沢 浩 いけざわ・ひろし

プロフィール:1965年生まれ。上智大卒。英字新聞ジャパンタイムズの運動部長を経て現在は日本社会人アメリカンフットボール協会の事業部広報兼強化部国際戦略担当。大学時代のアメリカンフットボール経験を生かし、フットボールライターとしても活動。NHKーBSや日テレG+でNFL解説者を務める。大学時代のポジションはRB。日本人で初めて「Pro Football Writers of America」の会員となる。

最新記事