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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

ラムズが王者バッカニアーズに土 レイダーズ、ブロンコスも3連勝

2021.9.29 11:19 生沢 浩 いけざわ・ひろし
不調のラン攻撃を自らのパスで補うバッカニアーズのQBブレイディ(AP=共同)
不調のラン攻撃を自らのパスで補うバッカニアーズのQBブレイディ(AP=共同)

 

 NFLは第3週を終了。早くも明暗がはっきりとしてきた。AFCはレイダーズとブロンコスが開幕3連勝と好調で、過去2年スーパーボウル出場を果たしたチーフスは1勝2敗と出遅れている。

 NFCではカージナルスとラムズ、パンサーズが全勝をキープしている。パンサーズを除けばいずれも西地区所属のチームだ。今年はこの地区に注目だ。

レイダーズFBインゴールド(45)のTDラン(AP=共同)
レイダーズFBインゴールド(45)のTDラン(AP=共同)

 

 ラムズは、昨季のスーパーボウル覇者バッカニアーズに土をつけた。バッカニアーズは昨年の11月29日以来の敗戦だ。この試合ではバッカニアーズの現在の課題が浮き彫りになった。

 

 44歳のQBトム・ブレイディが今季3試合ですでに10TDパスを記録するなど好調だが、これに反比例するかのようにランが不振だ。

 ラムズ戦ではブレイディの14ヤードラッシュがチームベスト。RBレナード・フォーネット、ロナルド・ジョーンズは昨季からほぼ変わらないOLを擁しながら1試合平均56.3ヤードと苦しんでいる。

 

 ランが出なければラムズの強力なパスラッシュが威力を発揮するのは必然で、ブレイディは3QBサックを浴びた。サック以外でも5回のヒットを受けている。

 ブレイディといえども、こういった試合展開が続けばダメージが蓄積することが懸念される。

インターセプトをしてファンにアピールするブロンコス守備陣(AP=共同)
インターセプトをしてファンにアピールするブロンコス守備陣(AP=共同)

 

 さて、そのブレイディは第4週にはいよいよ古巣のペイトリオッツと対戦する。

 ブレイディとTEロブ・グロンコウスキーにとっては移籍後、初めてマサチューセッツ州フォックスボロに足を踏み入れての試合だ。もちろんビル・ベリチックHCと敵味方に分かれて相まみえるのも初めてだ。

 

 今季のペイトリオッツ(1勝2敗)は、新人マック・ジョーンズを正QBに起用しているが、レッドゾーン(敵陣20ヤード以内)でのTD獲得率が25%でNFL最下位だ。

 ディフェンスは逆にレッドゾーン(自陣20ヤード以内)での守備が弱く、失点が多くなっている。1試合平均34・3得点を誇るバッカニアーズが相手の試合は、不利な点が多い。

セインツ守備陣の激しいプレッシャーを受けるペイトリオッツのQBジョーンズ(中央)(AP=共同)
セインツ守備陣の激しいプレッシャーを受けるペイトリオッツのQBジョーンズ(中央)(AP=共同)

 

 はっきり言えば戦力的にはバッカニアーズの方がはるかに上だ。

 再建途上のペイトリオッツとディフェンディングチャンピオンのバッカニアーズとでは、選手個々の技術からゲームマネジメントまで大きな差があることは否めない。

 

 こうした戦前の予想を覆すことができるとしたらベリチックHCの頭脳だろう。

 ブレイディやグロンコウスキーのことは熟知している。彼らの弱点を把握しているとすれば、驚くような秘策が披露されるかもしれない。

 リーグ屈指のパサーであるブレイディと、知将ベリチックHC。かつての盟友の初対決は、見どころの多い一戦になりそうだ。

生沢 浩 いけざわ・ひろし

名前 :生沢 浩 いけざわ・ひろし

プロフィール:1965年生まれ。上智大卒。英字新聞ジャパンタイムズの運動部長を経て現在は日本社会人アメリカンフットボール協会の事業部広報兼強化部国際戦略担当。大学時代のアメリカンフットボール経験を生かし、フットボールライターとしても活動。NHKーBSや日テレG+でNFL解説者を務める。大学時代のポジションはRB。日本人で初めて「Pro Football Writers of America」の会員となる。

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