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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

アラバマ大がランキング1位に浮上 米大学第11週 

2017.11.15 13:49 丹生 恭治 にぶ・きょうじ
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勝ち越しのTDレシーブを決め、チームメートに抱き上げられるアラバマ大のWRデボンタ・スミス(AP=共同)
勝ち越しのTDレシーブを決め、チームメートに抱き上げられるアラバマ大のWRデボンタ・スミス(AP=共同)

 ランキングから言えば波乱だが、試合の性格から見れば番狂わせとは言えないゲームがこの時期増えてくる。

 全米大学体育協会(NCAA)のフットボール部門のボウル・サブディビジョン(FBS=旧1部A)は11月の10、11日を中心に全米各地で第11週の激戦を展開した。

 この週はプレーオフランキングのベスト25のうちメンフィス大を除く24校が登場。ランク校同士の7試合を含む17試合を行った。

 とりわけランク1位のジョージア大がランク10位のオーバーン大に17―40で敗れた試合が話

題をさらった。

 南東リーグ(SEC)の首位決定戦に等しいカードだったが、オーバーン大が第1Q半ばから、第3Qにかけて猛攻、ジョージア大に今季初黒星をつけた。

 もう一つはフロリダのマイアミ大と独立校の雄ノートルダム大との対戦。20世紀後半を風靡したカードの一つだが、これもランク7位のマイアミ大の一方的な試合になり、ランク3位のノートルダム大は8―41と完敗を喫した。

 南部に片寄るが、もう一つ、ランク2位のアラバマ大が16位のミシシッピ州立大に31-24で競り勝った試合はスリリングだった。

 まずはジョージア大の敗戦から。試合開始から3分半、ゴール前1ヤードに迫ったジョージア大は、エースRBニック・チャブの突進で難なく先取点を挙げた。

 ところがここからオーバーン大の一方的な試合になった。QBジャレット・ステッドハムが、TDにこそ直結しなかったが、ドライブを確実に進めた。

 8分25秒、ダニエル・カールソンが54ヤードのFGを決めたのを皮切りに37ヤード、30ヤードとFGを次々と決めて9―7とリードを奪い返した。

 そして前半の残りの4分18秒、ステッドハムがWRダリュース・スレイトンへ42ヤードのパスを通して16―7と主導権を奪った。

 ビデオなどでアラバマ大との決戦を比較的よく見ているせいか、オーバーン大にはたくましく粘り強いというイメージがある。

 実際を知らないのではなはだ無責任だが、この試合もこうして主導権を奪うと、後半はオーバーン大のペースで、まずステッドハム自らの7ヤードの突進でTD。第3Q半ばにはWRライアン・デービスへ32ヤードのTDパスと畳みかけた。

 30点を連取する間、オーバーン大は無失点の堅い守備を見せるのだから監督としては楽だろう。

 そして第4Q半ばにはステッドハムからRBカリヨン・ジョンソンへ55ヤードものパスプレー―を決めて、ジョージア大の息の根を止めた。

 マイアミ大とノートルダム大の対戦は、1989年以来28年ぶりの顔合わせだった。マイアミ大は91年からビッグイースト、2004年から大西洋岸リーグ(ACC)に所属しているが、その当時は南部の有力独立校だった。

 一方のノートルダム大は中西部の、というより全米での独立校であるのはご承知の通り。つまり独立校同士の「好カード」だったわけである。

 しかしその「懐かしのカード」も、この日はマイアミ大の一方的な試合運びで、いささか味気ないものになった。

 攻守交代はご存知の通り、主にパント、時々インターセプトやファンブルリカバーなどがあるが、ノートルダム大は試合開始直後から第2Q序盤まで、パント5回と3インターセプトでマイアミ大に攻撃権を譲った上に、この間17点を奪われるという状態に陥った。

 事態はその後も変わらず、第3Q半ばまでにさらに17点。第3Q残り4秒でようやくTDパスを決め、

2点のTFPで8点を返したにとどまり、結局8―41で敗れ去った。

 地元ミシシッピ州スタークビルのデービスウェード・スタジアムにアラバマ大を迎えたミシシッピ州立大は、まさに真正面から互角の勝負を挑んだ。

 前半は2度先行し、2度とも追いつかれて14―14となったが、アラバマ大に今季初めて同点で折り返す「屈辱」を与えている。

 後半もミシシッピ州立大の勢いは衰えず、第3QにFGを許したあと、TDを返してリードを奪い、第4Q初めにはFGを決めてさらに1TD差をつけた。

 アラバマ大は残り9分56秒、QBジャレン・ハーツが14ヤードを突進して、ようやく24-24と追いつく状態。ここから決勝点を目指して互いに激しい攻防が続いたが、アラバマ大は残り25秒、ハーツがWRデボンタ・スミスへTDパスを決めて貴重な勝ち越しTDをもぎ取った。

 このほかビッグ12のタイトル争いを左右するランク5位のオクラホマ大と6位テキサスクリスチャン大(TCU)の対決は、オクラホマ大が33―20で古豪の貫禄を見せつけた。

 またランク15位のオクラホマ州立大は21位のアイオワ州立大とすさまじい得点争いを展開した末、オクラホマ州立大が49―42で勝った。

 またビッグ10ではランク8位のウィスコンシン大が20位のアイオワ大を33―14で下し、13位オハイオ州立大は48―3と12位のミシガン州立大を寄せ付けなかった。

 記者投票と監督投票の新しいランキングは、1位がアラバマ大、2位マイアミ大。以下、記者投票ではオクラホマ大、クレムソン大、ウィスコンシン大、監督投票ではクレムソン大、ウィスコンシン大、オクラホマ大と続いた。

 6位はともにオーバーン大、7位はジョージア大、8位はオハイオ州立大、9位ノートルダム大で、10位は記者投票がオクラホマ州立大、監督投票は南加大となった。

丹生 恭治 にぶ・きょうじ

名前 :丹生 恭治 にぶ・きょうじ

プロフィール:1934年生まれ。関西学院大学卒業後、東京新聞社で運動記者としてスタートし、1962年に共同通信社へ移籍。著書に、中学時代から関学で親しんだアメリカンフットボール生活を描いた「いざいざいざ」がある。甲子園ボウルには高校時代と合わせて6度優勝。

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