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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

【編集後記】Vol.366=「関西学院」

2021.6.3 15:03 宍戸 博昭 ししど・ひろあき
大学時代に甲子園ボウルで関西学院大と対戦した筆者(14)
大学時代に甲子園ボウルで関西学院大と対戦した筆者(14)

 

 久しぶりにラジオの生放送に出演した。兵庫県の西宮にあるFM局「さくらFM」。元NHKアナウンサーの近藤冨士雄さんがパーソナリティーを務める番組である。

 

 近藤さんとは、NHK―BSのNFL中継で実況アナウンサーと解説者として何度もご一緒した仲。アメリカンフットボールに関する造詣も深い。

 

 テーマは「西宮といえばアメリカンフットボールの街、アメリカンフットボールといえば関西学院」。

 甲子園ボウルなどで対戦したライバルについて、話してくれないかという依頼だった。

 

 高校時代に対戦した関学高等部との試合で、それまでに経験したことがない激しいタックルを受けて「ダーターズ」(当時の高等部のニックネーム)の底力を思い知った。

 大学では「ファイターズ」の組織力、洗練されたプレーと強靱な精神力に圧倒されたことなどを、思いつくままに話をした。

 

 大地にどっしり根を張った大木のようなファイターズを倒すために何をしたか。それは個人技を強化して、相手を根こそぎ持っていくようなチームを作ることだった。

 当時の篠竹幹夫日大監督の指導方針だ。

 篠竹さんの言葉を借りれば「うちは俺の個人商店。総合商社のような関学に勝つには、選手一人一人を徹底的に鍛えるしかない」となる。

 

 1989年の春の定期戦だったと記憶している。今はない西宮球場でライバルに快勝した後、篠竹さんはインタビューにこう答えている。

 「甲子園の空は青か赤だったはずだ。関西学院には頑張ってほしいですね」

 当時、京大の台頭で苦戦する好敵手にエールを送っていた。

 こちらがリスペクトしない相手から尊敬されることはない。これもまた、篠竹さんの教えの一つである。

 

 放送を聞いたファイターズのOBや関西学院の関係者からは、さまざまな感想を頂戴した。

 「なぜか、アドレナリンが出ている自分に気付きました」「早く春の定期戦が復活することを祈っています」

 

 リクエスト曲の最初に、エルトン・ジョンの「サクリファイス(犠牲)」を選んだ理由を指摘してきたのは「フェニックス」OBだ。

 「犠牲・協同・闘争」。それは、闘将が掲げたチームの三大精神だったからだ。(編集長・宍戸博昭)

宍戸 博昭 ししど・ひろあき

名前 :宍戸 博昭 ししど・ひろあき

プロフィール:1982年共同通信社入社。運動記者として、アトランタ五輪、テニスのウィンブルドン選手権、ボクシングなどスポーツ全般を取材。日本大学時代、「甲子園ボウル」にディフェンスバック、キックオフ、パントリターナーとして3度出場し、2度優勝。日本学生選抜選出。NHK―BSでNFL解説を20年以上務めている。

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