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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

コロナ禍に負けず指導現場に復帰 多聞コーチ、電通とIBMのコーチに就任

2021.5.6 12:43 中村 多聞 なかむら・たもん
多聞さんが再び指導することになったRB、左から元山、佐藤、片岡の3選手
多聞さんが再び指導することになったRB、左から元山、佐藤、片岡の3選手

 

 昨年末以来、ずいぶんご無沙汰しておりました中村多聞の「タモンズスタイル」。

 いまさらではございますが、今年初ですので、あらためてご挨拶をさせていただきます。「皆さま、今年もよろしくお願い致します」―。

 

 ついこの間、大きな大会でも重要な試合でもありませんが、久しぶりに全身防具をつけて試合に出場してきました。

 自陣からランプレーでボールを託され、昔取った杵柄で意気揚々と中央突破を試みました。

 勢いよく密集に飛び込んだら、自軍ラインマンたちのナイスブロックで大きな道ができ、エンドゾーンまで独走を目指して「加速、加速!」が必要なのですが、足が全然動かないし回転しないんです。

 気持ちだけが前に進んでいましたが、僕の鈍足ぶりに半笑いの顔見知りのディフェンダーたちが余裕で僕にタックルを浴びせ、あえなく撃沈。久しぶりの独走タッチダウンはできませんでした。

 

 という夢を頻繁に見る最近の僕は、今年から心機一転、新しい二つの社会人チームでランニングバック(RB)の指導をしています。

 一つは「電通キャタピラーズ」で、もう一つは「IBMビッグブルー」です。日本社会人協会のルールで、両方のチームへ登録は現段階だとできないそうです。

 

 この両チームに共通しているのは、過去に指導した選手が所属していることなのです。

 今までは少し指導してそのままでしたので、せっかくうまくなった選手も僕から離れて下手くそに戻っていくという悲しい事案が何件も起こっていたのですが、今回はそのアフターケアに取り掛かるという寸法です。僕にとっては新しいチャレンジです。

 

 「IBM」は、5年ほど前に所属していたチームです。当時は若手だった「ホケツ君」も、今やベテランでエースになっています。

 他にも、学生時代に関わった選手、「タモン式短期講習」の常連さんなど、RBユニットは大半がお互いをよく知っているので、初日から挨拶もなしで普通にビシビシやることができました。

 

 大学時代はエース格でチームを牽引してきたスーパースターの彼らも、年月が経ち経験値が減少し、ついでに筋肉や体力も減少し、戦いの場は日本最高レベルとなります。

 対戦相手のレベルが学生時代とは全く違います。大きな期待をするのはもしかしたら気の毒なのかもしれませんが、まあせめて今年中には集中力や責任感くらいは学生の頃のレベルには戻してもらおうと思っています。

 

 気持ちを入れ替え真剣に取り組めば、体力面はすぐに戻るでしょう。彼らはチームとしても個人としても日本タイトルを狙っているでしょうから、多少の無理はしてもらう必要があります。

 「まずは会社を辞めてフットボールだけに打ち込みなさい」と言ったら、マジに受け取ってビビっていました。冗談ですよ。仕事とアメフトは両立してください。

 

 「電通」は、僕が本格的にコーチ活動を始めてから初の「トップリーグではないチーム」となります。

 リーグの構成をよく理解していなかったので、しっかりと再勉強したところ、今年度中に日本一になるための試合「ジャパンエックスボウル」には出場できないけれど、強ければ来年には行ける1ランク下の「エリアリーグ」というディビジョンですね。

 目標の立て方や、困難を乗り越えるモチベーションの維持の仕方など、僕が知らないことだらけなので、こちらは地道にチームの皆さんを観察して勉強しています。

 

 そしてこちらにも約1名ですが、学生時代に3年間指導した選手が所属しており、僕の入団が噂された時には「冗談じゃねーよ、なんで多聞がウチに来るんだよ!」となっていたようですが、チームからのご依頼なので「君は黙っとれ。仕方ない。諦めなさい」となりました。

 本当に気の毒ではありますが、学生時代の指導とは少し違う感じに安心したようで「また頑張ろうと思います!」と言ってくれて安心しました。でも優しいのは今だけかもねー。

 

 ここ数年は社会人チームと学生チームを掛け持ったコーチ三昧で、週7日朝から晩まで費やしてきましたので、社会人チームだけになった今年はずいぶんと自由な時間が生まれました。

 23年目となる僕の生業である飲食店業「ゴリゴリバーガー」の経営や、スタッフとして店舗に立つ機会も増えました。来店されるお客様と関わる時間を毎日とても楽しんでいます。

 

 度重なる政府から発令され緊急事態宣言に伴う時短営業や、今回はアルコール販売禁止など先が見えない部分に不安はありますが、ここはとにかく楽しいことを考えて毎日を過ごしています。

 飲食店の我々が、仕事が終わった後に食事をする場所がなくなっているのがとても生活しづらい部分ではありますが、コロナ禍が収まることを願って、まだまだしばらくは我慢の生活をしていくしかないですもんね。

 

 今回はこのくらいで。またこれからも書いていきますので、よろしくお願いします。

中村 多聞 なかむら・たもん

名前 :中村 多聞 なかむら・たもん

プロフィール:1969年生まれ。幼少期からNFLプレーヤーになることを夢見てアメリカンフットボールを始め、NFLヨーロッパに参戦しワールドボウル優勝を経験。日本ではパワフルな走りを生かして、アサヒ飲料チャレンジャーズの社会人2連覇の原動力となる。2000年シーズンの日本選手権(ライスボウル)では最優秀 選手賞を獲得した。河川敷、大学3部リーグからNFLまで、全てのレベルでプレーした日本でただ一人の選手。現在は東京・西麻布にあるハンバーガーショップ「ゴリゴリバーガー」の代表者。

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