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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

49ersがドラフト指名権で大ばくち 有望新人QB獲得が狙いか

2021.3.31 11:22 生沢 浩 いけざわ・ひろし
2019年シーズンに49ersをスーパーボウルに導いたQBガロポロ(AP=共同)
2019年シーズンに49ersをスーパーボウルに導いたQBガロポロ(AP=共同)

 

 今年のNFLドラフト(4月29日~5月1日)まであと1カ月となったが、49ersが指名権の大型トレードを仕掛けて話題を呼んでいる。

 

 49ersは、今年の1巡指名権(全体の12番目)と今後2年分の1巡指名権および来年の3巡指名権をドルフィンズに譲渡し、代わりにドルフィンズが保持していた今年の1巡指名権(全体の3番目)を獲得したのである。

 

 三つもの1巡指名権を一気に放出し、見返りは今年のドラフト1巡の順位を九つ上げるだけという、ドルフィンズに一方的に有利な破格の条件だ。

 

 

 49ersがここまで譲歩して全体3位の指名権を入手したのは、QBを指名するために他ならない。

 

 今年のドラフトでは、全体1位指名権を持つジャガーズが、クレムソン大のQBトレバー・ローレンスを指名することが確実視されている。

 

 49ersはローレンスを指名できないまでも、彼に続いて能力が高いとされるザック・ウィルソン(ブリガムヤング大)、ジャスティン・フィールズ(オハイオ州立大)、トレイ・ランス(ノースダコタ州立大)といったQBのいずれかを3番目指名権を行使して獲得する意向と思われる。

 

 それはつまり、現スターターQBのジミー・ガロポロがいずれ49ersでポジションを失うことを意味する。

 

 

 カイル・シャナハンHCは、今シーズンの先発QBはガロポロだと宣言しているが、それが何の保証にもならないことは明らかだ。

 

 チームが1巡で指名したQBをいつまでも控えに置いておくことなどあり得るはずもなく、いずれ49ersのスターターになることはもはや既定路線だ。

 

 

 ガロポロは、シャナハンがHCに就任した2017年のレギュラーシーズン中にペイトリオッツとのトレードで入団した。

 

 2019年シーズンにはチームをスーパーボウルに導くなどエースQBの座を確立したかに見える一方で、過去3年間は故障が多く、48試合中25試合の出場にとどまった。

 

 

 競争の激しいNFC西地区では、QBが故障なくコンスタントに試合に出場することはとても重要だ。特に最大のライバルであるシーホークスのラッセル・ウィルソンが故障に強いだけに、49ersのQBに対する危機感は強いだろう。

 

 ただ、ガロポロも指をくわえて新人QBにポジションを譲る気はないだろう。

 

 先発交代は避けられない状況だとしても、スターターの地位を与えられている間に実力を見せつけて自分の価値を上げ、他球団への移籍をもくろむはずだ。

 

 起死回生を期すガロポロと、それを注視する他チームの動向が注目される。

生沢 浩 いけざわ・ひろし

名前 :生沢 浩 いけざわ・ひろし

プロフィール:1965年生まれ。上智大卒。1991年にジャパンタイムズ入社。大学時代のアメリカンフットボール経験を生かし、フットボールライターとしても活動。NHKーBSや日テレG+でNFL解説者を務める。「Pro Football Writersof America」会員。

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