ブレイディのバッカニアーズがNFC決勝へ NFLプレーオフ

「Win or go home」。負けたらシーズン終了のNFLプレーオフを表現するこのフレーズが、今年ほどQBドルー・ブリーズ(セインツ)に重たく響いたことがあっただろうか。
パスの名手としてNFLに君臨し、パスによる獲得距離が歴代1位のブリーズが、20年のキャリアでおそらく最後となるかもしれない試合に敗れ、フィールドを去った。
対戦相手は大学時代からのライバルであるQBトム・ブレイディ率いるバッカニアーズだった。
1月16、17日に行われたNFLポストシーズンのディビジョナルプレーオフ(準決勝)の最後を飾った試合で、セインツはシーズン中に2勝していた同地区ライバルのバッカニアーズに20―30で敗れ、4年連続でのプレーオフ敗退が決まった。
15日に42歳になったばかりのブリーズは今季限りの引退が濃厚で、チャージャーズで5年、セインツで15年過ごしたNFLに別れを告げるものとみられる。

「フットボールが与えてくれたすべてのことに感謝したい。信じられないような思い出がたくさんある」と試合後にブリーズは述べた。
引退を明言したわけではないが、NBC放送の解説者となることが既に内定している(ただし、就任時期はあくまでもブリーズの引退後で、現役続行の場合は就任時期が先送りされる)こともあり、この発言は意味深だ。
パーデュー大学時代からライバルだったブレイディ(ミシガン大学)とのNFLポストシーズンでの初対決は、ブリーズらしからぬ悔いの残る内容だった。
パスの成功率でNFL歴代最高記録(74・4パーセント、2018年)を保持するブリーズだが、レシーバーがボールをはじく不運などにも見舞われ、4年ぶりとなる1試合3インターセプトを喫した。
ブリーズ自身も言うように、ブレイディの率いるオフェンス相手にチームで計四つのターンオーバー(そのうち3つがTDに)は致命的だ。好パサーの「最終戦」としてはあまりに皮肉な結果となった。
ブレイディ自身は、10回目のスーパーボウル出場まであと1試合となった。
同時にそれはバッカニアーズが自らのホーム(フロリダ州タンパ、レイモンドジェームズスタジアム)で行われるスーパーボウルに出場するということであり、過去54年間で一度も実現しなかった「ホームチームのスーパーボウル出場」が現実のものとなる。
その前に立ちはだかるのがNFC第1シードのパッカーズだ。今季のNFLで最も高い得点力(1試合平均31・6点)を誇るパッカーズは、準決勝でリーグトップのディフェンスを擁するラムズを32―18で破り、2年連続のNFC決勝に進んだ。

パッカーズが地元ランボーフィールドでNFC決勝を戦うのは2007年シーズン(この時はジャイアンツに敗戦)以来で、QBアーロン・ロジャースが先発となってからは初めてのことだ。
AFCではディフェンディングチャンピオンのチーフスがブラウンズを22―17で下し、スーパーボウル連覇へまた一歩近づいた。
そのチーフスと対戦することになるビルズは、1994年以来のカンファレンス決勝進出だ。
準決勝では、CBタロン・ジョンソンが第3クオーターにエンドゾーンでレーベンズQBラマー・ジャクソンのパスをインターセプト。そのまま101ヤードのリターンTDとした。

ジャクソンのTDパスが決まっていれば10―10の同点となっていただけに、17―3の勝利を呼び込む値千金のプレーとなった。
ジャクソンは第3クオーター終盤に脳しんとうで戦列を離れ、サイドラインで試合終了を見届けた。
カンファレンス決勝は次の通りの通り。
▽1月24日(日本時間25日)
バッカニアーズ@パッカーズ(NFC)
ビルズ@チーフス(AFC)