米大学フットボールで女性キッカーが試合出場 バンダービルト大学のKフラー

NFLでは女性のオフィシャル(審判)やアシスタントコーチが登場し、チームの要職でも女性の進出は目覚ましい。NFLもまたそれを強く推奨している。
米カレッジフットボールでは、NFLよりも一足先に女性プレーヤーがすでに複数誕生しているが、先週末にはついに最高レベルのフットボールボウルサブディビジョン(FBS)の中でも特に強豪ぞろいの「パワー5カンファレンス」で史上初の女性キッカーが登場した。
その選手の名前はサラ・フラー。バンダービルト大学の女子サッカーチームに所属するゴールキーパーだ。
11月28日にミズーリ大学との試合の後半のキックオフで登場。背番号はサッカーチームで着用している「32番」だった。
オンサイドキックのようにあえてボールを転がすキックを蹴った。ミズーリ大学は自陣35ヤードラインでそれをリカバー。リターンはなかった。試合は0―41で敗れた。
FBSで女性選手が出場したのは確認できているだけで3人目。ただし、エリート校の多いパワー5カンファレンス(アトランティックコースト、ビッグテン、ビッグ12、パック12、サザンイーストの総称)では初めてだ。
フラーは元々アメリカンフットボールチームに所属していたわけではない。
新型コロナウイルスの影響で同大学のスペシャルチームのメンバーに欠員が多く生じ、大学内で人材を求めた結果フラーが出場登録されることになった。
何でも新しいことに挑戦することが好きだというフラーは試合後のビデオインタビューで「私が出場できたのは本当に信じられないこと。でも若い女の子たちの励みになったら嬉しい。スポーツをずっとやってきて苦しいこともあったけど、続けてきたからこそこういうチャンスに巡り会えたのだから」と述べた。

ハーフタイムには、チームメートの士気を鼓舞する「ペップトーク」までしたというフラーは、次のチャンスにも意欲的だ。
開幕8連敗と苦戦しているバンダービルト大学は次週、全米ランキング9位のジョージア大学と対戦する。
この試合にフラーが出場登録されるかどうかは分からない。しかし、彼女はいたって前向きで、「このチームが私を必要としてくれたら嬉しい。FGやトライフォーポイントのキックで得点してみたい」と語った。