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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

【編集後記】Vol.351

2020.11.26 12:57 宍戸 博昭 ししど・ひろあき
佼成学園との決勝でサイドラインから指示を出す、足立学園の高濱陽一監督(右)と橋本洋コーチ=撮影:高木信利
佼成学園との決勝でサイドラインから指示を出す、足立学園の高濱陽一監督(右)と橋本洋コーチ=撮影:高木信利

 

 6対49というスコアでの敗戦を、生徒とともに受け入れる足立学園・高濱陽一監督の目から、大粒の涙がこぼれ落ちた。

 

 11月23日、東京・駒沢第二球技場で行われた、全国高校選手権の関東地区大会決勝で、足立学園は優勝候補の佼成学園の厚い壁にはね返された。

 

 足立学園は春の関東大会では過去に決勝に進出しているが、秋は初めてだった。

 念願の高校日本一を決める「クリスマスボウル」出場はならず、高濱監督は「クリスマスボウルまでは、まだまだ遠いと実感しました。新チームでゼロからやり直します」と言った。

 

 二人三脚で歩んできた高濱監督と橋本洋コーチは、アメリカンフットボールをプレーした経験がない。

 高校の教諭になって出会ったアメフトに魅せられ独学で知識を身につけ、実績のあるコーチに教えを請うなどして生徒を指導している。

 

 準決勝で強豪の早大学院を破っての決勝進出。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大で、練習は学校の方針に従い1週間で5時間しかできなかったそうだ。

 「無断で練習を休んだり、チームメートに不義理をした生徒は、どんなに選手として優秀でも試合に出さない」。人間形成を最優先する教育理念は、今も変わっていない。

 

 グラウンドや設備など、決して恵まれているとは言えない環境で、独自の文化を醸成する努力をしている。

 制限付きながら、観客を入れての開催となった佼成学園との決勝。スタンドからは、監督の労をねぎらう声が聞こえてきた。

二人三脚で足立学園を指導する高濱陽一監督(左)と橋本洋コーチ
二人三脚で足立学園を指導する高濱陽一監督(左)と橋本洋コーチ

 

 「大学でプレーする教え子の姿を見るのが楽しみ」と話す、高濱監督と橋本コーチの人柄に惹かれる。

 座持ちのいいお二人とは、世の中が落ち着いたら、彼らの〝ホームフィールド〟である北千住で一杯やる約束をした。(編集長・宍戸博昭)

宍戸 博昭 ししど・ひろあき

名前 :宍戸 博昭 ししど・ひろあき

プロフィール:1982年共同通信社入社。運動記者として、アトランタ五輪、テニスのウィンブルドン選手権、ボクシングなどスポーツ全般を取材。日本大学時代、「甲子園ボウル」にディフェンスバック、キックオフ、パントリターナーとして3度出場し、2度優勝。日本学生選抜選出。NHK―BSでNFL解説を20年以上務めている。

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