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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

際立つスピードと身体能力 シーホークスの大型WRメトカーフ

2020.11.25 11:24 生沢 浩 いけざわ・ひろし
パスをキャッチしてから前進するシーホークスのWRメトカーフ(14)(AP=共同)
パスをキャッチしてから前進するシーホークスのWRメトカーフ(14)(AP=共同)

 

 NFLは究極のアスリートたちの集団だ。個々が一般人には真似のできない秀でた身体能力を持っている。

 そのトップアスリートたちが口をそろえて「信じられない」と言わしめるほどの高い運動能力を持った選手が存在するのもまた、NFLのすごさである。

 シーホークスの2年目のWR、DKメトカーフはそういった評価を受ける選手の一人だ。

 193センチ、104キロの体格はWRというよりはTE、いやLBやDEでもおかしくないサイズだ。

 それが40ヤード走4秒33秒のスピードでフィールドを駆け抜け、アクロバティックなパスキャッチを見せる。

 名実ともにQBラッセル・ウィルソンのナンバーワンターゲットであり、ここまでの9TDパスキャッチは全16試合に出場した昨年の7をすでに上回っているスーパースターだ。

長身を生かして高いパスをキャッチするシーホークスのWRメトカーフ(14)(AP=共同)
長身を生かして高いパスをキャッチするシーホークスのWRメトカーフ(14)(AP=共同)

 

 彼のスーパーアスリートぶりが広く知られたのは今季の第7週、カージナルスとの試合だ。

 第2クオーター、ゴール前3ヤードでファーストダウンを得たシーホークスはウィルソンがTDを狙ってパスを投げた。これをインターセプトしたのがカージナルスのSSブッダ・ベイカーだ。

 ベイカーは3ヤード付近でボールをキャッチすると、そのまま左サイドライン沿いに走ってシーホークスのエンドゾーンを目指す。フィールド中央に差し掛かるころにはほぼ独走態勢だった。

 オフェンスの最も後ろにいたウィルソンもタックルをあきらめる。「ピック6」、いわゆるリターンTDが確実かと思われた瞬間、猛スピードで追走する背番号「14」の姿が現れる。メトカーフだ。

 

 インターセプトの瞬間、フィールド中央のゴールライン付近へのパスコースを走っていたメトカーフは、きびすを返すや7ヤードほど先を走っていたであろうベイカーを猛追したのだ。そして、ついにエンドゾーン直前でベイカーに追いつく。

 この映像は本来ならベイカーの97ヤードインターセプトリターンTDのハイライト動画となるはずだったが、むしろメトカーフのスピードのすごさを強調するビデオになってしまった。

 タックルされたベイカーは、サイドラインで「いったいどうやって追いついたんだ?」と苦笑いするしかなかった。

カージナルスSSベイカー(32)のインターセプトリターンTDを阻止するシーホークスのWRメトカーフ(AP=共同)
カージナルスSSベイカー(32)のインターセプトリターンTDを阻止するシーホークスのWRメトカーフ(AP=共同)

 

 メトカーフはミシシッピー大学の出身で、昨年のドラフトで2巡指名受けた。

 父テレンスも元NFL選手で、2000年代にベアーズなどでOGとしてプレーした。体格とアグレッシブなダウンフィールドでのブロッキングは父親譲りだろうか。

 サイズとスピードを兼ね備えたメトカーフは今、最も注目される若手選手の一人である。

 

 シーホークスの所属するNFC西地区はシーホークスとラムズが7勝3敗で首位に並び、カージナルスが6勝4敗で追いかける展開だ。

 DTアーロン・ドナルド(ラムズ)やQBカイル・マレー(カージナルス)ら類いまれなアスリートが多い地区でもあり、その活躍がチームの勝敗に直結することも少なくない。

 メトカーフのさらなる活躍は、シーホークスの首位奪回に向けて不可欠な要素だ。

生沢 浩 いけざわ・ひろし

名前 :生沢 浩 いけざわ・ひろし

プロフィール:1965年生まれ。上智大卒。1991年にジャパンタイムズ入社。大学時代のアメリカンフットボール経験を生かし、フットボールライターとしても活動。NHKーBSや日テレG+でNFL解説者を務める。「Pro Football Writersof America」会員。

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