JXBは富士通とオービックの顔合わせ Xリーグ2020

日本社会人Xリーグの最高峰X1スーパーは、11月21日から23日にかけて富士通スタジアム川崎で最終節を行い、Bブロックの頂上決戦となった試合は、終盤で二転三転する激戦の末、オービックがパナソニックに35―34で競り勝ち、4年ぶりの「ジャパンエックスボウル」(JXB=12月15日・東京ドーム)出場を決めた。
Aブロックは、富士通がエレコム神戸を34-3で破り3勝0敗でブロック1位となり、8年連続のJXB進出を果たした。
JXBでの両チームの対戦は4年ぶり5度目で、過去の対戦成績はオービックの3勝1敗。
Bブロックのオール三菱が新型コロナウイルスの影響で今季の出場を辞退したため、1勝0敗同士で、勝った方がJXBへの出場権を獲得することになったオービックとパナソニックの試合は、勝ったオービックの大橋誠ヘッドコーチ(HC)が試合後「長いフットボールライフで忘れられない試合」と表現するほど劇的な幕切れだった。
前半は完全なオービックペースだった。QBジミー・ロックレイがWR西村有斗への二つのTDパスを成功させ、RB李卓のTDランなどで28―17とリードしてハーフタイムを迎えた。
しかし、後半になるとパナソニックが反撃。ディフェンスはロックレイにパスラッシュでプレッシャーをかける一方で、ランをほぼ完ぺきに止めて第3クオーターはオービックを無得点に抑えた。
その間、オフェンスはQBアンソニー・ローレンスの2TDパスで逆転に成功。さらに第4クオーターに佐伯眞太郎の20ヤードFGで34―28とリードを広げた。
前半終了間際からパナソニックに4連続得点(2TD、2FG)を許したオービックは、最終クオーター後半にようやく覚醒。ロックレイからWR前田眞郷への36ヤードTDパスで35―34と逆転に成功する。オービックにとっては実に23分31秒ぶりの得点だった。
この時点で試合の残り時間は4分5秒。オフェンスのパナソニックには時間をコントロールしながら逆転のFGまたはTDを狙うゲームマネジメント力が試される場面だ。
オービックのキックオフがタッチバックとなり、自陣25ヤードからのオフェンスとなったパナソニックは、RBミッチェル・ビクタージャモーのランやローレンスのパスなどで時間をうまく使いながら前進。FG圏内に入っても好調なパナソニックオフェンスは時間消費を選択し、ついにゴール前1ヤードまで進む。
この時点で残り時間は24秒。誰もがパナソニックの逆転TDを予想した瞬間だったが、ここでローレンスがQBスニークで痛恨のファンブルを犯す。
それをオービックのLB成瀬圭汰がリカバーしてターンオーバー。オービックが残り17秒を使い切って試合終了となった。

大橋HCは最後の場面について「FG勝負になると思っていた。数秒でもこちらのオフェンスに時間が残ればと思っていた。最後の(オービック)オフェンスの2プレーは一番ナーバスになった。(あの状況での)イート・ザ・ボールも難しいので」と振り返った。
5年連続の日本一を目指す富士通は、エレコム神戸から三つのインターセプトを記録するなどディフェンスの活躍で危なげなく勝利した。
3試合通算でQBマイケル・バードソンが計7TDパス成功と好調。3試合で相手に許したTDはIBM戦の三つ(オフェンス2、キックオフリターン1)だけとディフェンスの堅さも目立つ。
ノジマ相模原は、新加入のQBカート・パランデックがランで117ヤードをゲインするなど好調。IBMを27―17で破り、2勝1敗でシーズンを終えた。IBMは0勝3敗に終わった。
