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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

【編集後記】Vol.350

2020.11.19 11:35 宍戸 博昭 ししど・ひろあき
日大オフェンスをリードするエースQB林大希選手(19)=撮影:岡野将大
日大オフェンスをリードするエースQB林大希選手(19)=撮影:岡野将大

 

 「1試合で100ヤード以上走るRBがいて、強固なディフェンスがあれば負けない」と言われるが、アメリカンフットボールはやっぱりQB次第だ。

 

 所属チームの勝敗の鍵を握るのはもちろん、スターQBがいるリーグは注目され盛り上がる。

 3年ぶりの「甲子園ボウル」出場に王手をかけた、関東大学リーグ1部TOP8の日大のエースQB林大希選手は、スターだけが持つ独特のオーラを放っている。

 

 林選手は、2017年に日大を27年ぶりの大学王者に導き、1年生で初の年間最優秀選手に贈られる「チャック・ミルズ杯」に輝いた。

 

 あれから3年。紆余曲折を経て迎えた最終学年の今年は、プレーだけでなく言動にもオフェンスリーダーとしての自覚が見て取れる。大きくなった体とともに、風格が出てきた。

 

 日大と対戦した東大の森清之ヘッドコーチ(京大OB、元日本代表ヘッドコーチ)に、試合後「どうですか?」と聞いてみた。

 曖昧な問いかけにも、勘のいい森さんはこちらの意図をくみ取り、すかさずこう答えてくれた。

 「林君、いいですね。彼より肩が強かったり、レシーバーにパスを投げ分けられる選手はいるでしょうが、トータルで見た場合、学生ではナンバーワンのQBだと思います」

 

 国内のトップチームのコーチに「理想のQBは誰?」と尋ねると、必ず名前が挙がるのが菅原俊さん(法大―オービック)だ。

 身長172センチとサイズには恵まれていないが、絶妙なパスコントロールと勝負所を心得た的確な判断には、現場の指導者から高い評価が与えられている。

 関学大の鳥内秀晃前監督も「菅原君のようなQBがいれば、ベンチは安心して試合を任せられる」と絶賛していた。

関学大との「ライスボウル」でボールを持って前進するオービックのQB菅原俊さん=2014年1月3日、東京ドーム
関学大との「ライスボウル」でボールを持って前進するオービックのQB菅原俊さん=2014年1月3日、東京ドーム

 

 現在はオービックのコーチをしている菅原さんは、QBの役回りをこう表現する。

 「QBの仕事は、チームを勝たせること。それができなければ仕事をしていないのと同じ」

 

 11月29日に、日大と甲子園ボウル出場を争う桜美林大の1年生QB水越直選手も、林選手に匹敵する逸材だ。

 司令塔をどこまで追い詰められるか。両チームの守備コーチのお手並み拝見、といったところだろうか。(編集長・宍戸博昭)

宍戸 博昭 ししど・ひろあき

名前 :宍戸 博昭 ししど・ひろあき

プロフィール:1982年共同通信社入社。運動記者として、アトランタ五輪、テニスのウィンブルドン選手権、ボクシングなどスポーツ全般を取材。日本大学時代、「甲子園ボウル」にディフェンスバック、キックオフ、パントリターナーとして3度出場し、2度優勝。日本学生選抜選出。NHK―BSでNFL解説を20年以上務めている。

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