メニュー 閉じる メニュー
スポーツ

スポーツ

週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

起死回生のヘイルメリーパス カージナルスが劇的勝利

2020.11.18 10:57 生沢 浩 いけざわ・ひろし
決勝のヘイルメリーパスをキャッチするカージナルスのWRホプキンス(中央)(AP=共同)
決勝のヘイルメリーパスをキャッチするカージナルスのWRホプキンス(中央)(AP=共同)

 

 NFL第10週に行われたビルズ(7勝3敗)とカージナルス(6勝3敗)は、劇的な「ヘイルメリーパス」で決着する見応えのある試合となった。

 戦況が大きく動いたのは試合の残り時間が1分を切ってからだ。

 23―26と劣勢だったビルズは、残り34秒でQBジョシュ・アレンからWRステフォン・ディッグスへの21ヤードTDパスが決まって逆転。PATのキックも成功して4点差のリードを奪い、勝利をほぼ手中に収めたかに思われた。

 続くカージナルスの攻撃は自陣25ヤードから。QBカイル・マレーがショートパスを3回連続で成功させて敵陣43ヤードでファーストダウンを獲得した。この時点でゲームクロックは0:11となっていた。

 

 ショットガン隊形からスナップを受けたマレーはビルズのパスラッシュを受けて大きく後退。ハーフラインを超えて自陣奥深くまで逃げながら左に展開し、エンドゾーンに向けてヘイルメリーパスを投じた。

 エンドゾーンでは今季からチームに加入したWRデアンドレ・ホプキンスがビルズのディフェンダー3人に囲まれながらもジャンプしてキャッチ。そのままエンドゾーン内で倒れ込み、決勝TDとなったのだ。

 

 このプレーが起きたのはアメリカ東部時間で11月15日(日)の午後7時30分ごろだったが、ハイライト動画はあっという間に数万回の再生回数を数え、その後のサンデーナイトゲームや翌日のマンデーナイトゲームでもこのプレーは話題となった。

 

 カージナルスが所属するNFC西地区では、同日にシーホークス(6勝3敗)がラムズ(6勝3敗)に敗れたため、この3チームが同率首位で並ぶことになった。

 カージナルスは最近の5試合で4勝1敗と好調だ。一方、シーズン前半で首位を独走してきたシーホークスは2連敗と苦しんでいる。

 

 セインツ(7勝2敗)とバッカニアーズ(7勝3敗)が地区優勝を争うNFC南は、直接対決ですでに2勝しているセインツが優位に立ってはいるものの、エースQBドルー・ブリーズが49ers戦でろっ骨を複数本骨折し、そのうちの一本が肺を損傷させるという重傷を負ったことが明らかになった。

 回復期間などは明らかにされていないが、しばらくは戦列を離れる可能性が高く、セインツは試練の時期を迎える。

49ers戦で負傷したセインツのQBブリーズ(AP=共同)
49ers戦で負傷したセインツのQBブリーズ(AP=共同)

 

 AFCはチーム記録となる開幕からの連勝を9に伸ばしたスティーラーズを、スーパーボウルチャンピオンのチーフス(8勝1敗)が追う展開だ。

 今後注目されるチームとしては現在5連勝中のドルフィンズ(6勝3敗)、タイタンズ(6勝3敗)を破って南地区首位に並んだコルツ(6勝3敗)、チーフスに唯一の黒星をつけて勢いづいたレイダーズ(6勝3敗)だ。

 

 一時は4連敗で2勝5敗と苦しんだペイトリオッツは、2連勝で徐々に調子を上げてきた。12月にはビルズやドルフィンズと地区優勝争いを演じているかもしれない。

生沢 浩 いけざわ・ひろし

名前 :生沢 浩 いけざわ・ひろし

プロフィール:1965年生まれ。上智大卒。1991年にジャパンタイムズ入社。大学時代のアメリカンフットボール経験を生かし、フットボールライターとしても活動。NHKーBSや日テレG+でNFL解説者を務める。「Pro Football Writersof America」会員。

最新記事