プレーオフ進出チーム増やす可能性も コロナ禍で日程消化できない場合

NFLはレギュラーシーズンの折り返しにあたる第9週を終了し、スティーラーズがカウボーイズ(2勝7敗)を下してチーム史上初の開幕8連勝を飾った。
昨季のスーパーボウル王者チーフス(8勝1敗)は、パンサーズに辛勝(3勝6敗)してスティーラーズを追っている。
シーホークス(6勝2敗)を破ったビルズは、最後にスーパーボウルに出場した1993年シーズン以来の7勝2敗の好スタートで、AFC東地区の首位を走っている。
NFCではセインツ(6勝2敗)がバッカニアーズ(6勝3敗)との2度目の直接対決で大勝。今季の対戦成績を2勝0敗として、この2強に絞られた感のあるNFC南の優勝争いで優位に立った。
NFLでは前半だけで少なくとも10試合が新型コロナウイルスの影響でスケジュール変更の影響を受けた。
幸いなことに現状では予定されている17週間の期間内で調整ができているが、依然として感染拡大が収まらないアメリカ国内の状況から考えてシーズン後半がスムーズに消化される保証はない。
そこでNFLは、レギュラーシーズンゲームがすべて消化しきれない不測の事態に限った緊急措置としてプレーオフ出場チームを、14から16チームに拡大する案をオーナー会議で承認した。
NFLは11月10日、同1~7日に実施した新型コロナウイルスの検査で選手15人、スタッフ41人が陽性反応を示したと発表した。
NFLは現在予定されている試合が新型コロナウイルスの影響で延期されるなどの事態が発生した場合、レギュラーシーズンを1週延長することを既に決めている。
しかし、2週以上伸ばすことは日程上不可能で、開催できない試合が発生する可能性がある。
その試合が地区優勝やプレーオフの出場枠を争う重要なものであった場合、プレーオフ出場チームが今季限定で2チーム増やされる。
これはあくまで、レギュラーシーズンゲーム(全256試合)が消化できなかった場合の限定措置で、後半の日程が予定通り行われるか残りの8週間内でスケジュールの変更ができれば通常のプレーオフが行われる。
緊急措置が実施された場合のシード順位や日程をどうするかは未定だが、試合が行われなかったことでプレーオフ出場の機会を逃すチームを救済するのが目的だ。

NFLは今季からプレーオフ出場チームを従来の12チームから14チームに増やしたばかり。
不測の事態が前提とはいえ、リーグを構成する32チームの半分がポストシーズンを迎えるという異例の形になる可能性が出てきた。
NFLは既に、スーパーボウルの前週に行われる予定だったオールスター戦のプロボウルの中止を発表している。
レギュラーシーズンやプレーオフの日程がずれた際には、この週も予備日として使うことができる。
ただしその場合はカンファレンス決勝からスーパーボウルまでの間隔が1週間(通常は2週間)しかなくなり、出場チームには負担が大きい。
シーズン開幕が秋だったこともあり、NFLはコロナ禍にあってほぼ予定通りにリーグ活動を行っている。世界のプロスポーツで非常に希な例といえる。

しかし、冬にさらなる拡大を見せると予想される新型コロナウイルスとの戦いは未知なるものだ。
スーパーボウルの開催を実現するまで、NFLは柔軟かつ臨機応変な対応がこれまで以上に求められる。