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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

【編集後記】Vol.345

2020.10.16 12:12 宍戸 博昭 ししど・ひろあき
好本一郎さんの著書「東大アメリカンフットボール部 ウォリアーズの軌跡」
好本一郎さんの著書「東大アメリカンフットボール部 ウォリアーズの軌跡」

 

 一冊の本が送られてきた。タイトルは「東大アメリカンフットボール部 ウォリアーズの軌跡」。

 著者は、同部OBで2年前にチームを支援する目的で設立された「一般社団法人 東大ウォリアーズクラブ」初代代表理事の好本一郎さんだ。

 

 本では、スターバックスの最高執行責任者(COO)や日本マクドナルドの最高総務責任者(CAO)などを歴任した好本さんが、プロコーチとして招聘した森清之ヘッドコーチ(HC=京大OB)の組織づくりの手法を、ビジネスの世界に重ね合わせて紹介している。

 

 京大時代に選手として2度の日本一を経験し、日本代表のHCにも指名された森さんの指導哲学はこうだ。

 「スポーツの究極のゴールは、一定のルールの中で相手に勝利することであり、スポーツをやる以上、勝利に向かって本気であらゆる努力をする。その本気の過程で初めてスポーツの醍醐味を味わうことができる。このプロセスこそ人間教育である」

 

 森さんが掲げるのは「心技体」ではなく「体技心」。東大の選手の最大の弱点は体力であり、まずはそこを重点的に鍛えるのだという。

 東大生は、京大生と同様に受験競争を勝ち抜いてきたことで培った自分の行動を律する力があると分析。成功体験を刺激し、選手としての成長を促す。

 

 好本さんによれば、森さんの示す姿勢や行動には、優れた経営者と同じ特徴があるという。

 ゴールを示し、説得力のあるメッセージを一貫して送る。リーダーシップを明確に示す。最終責任は自分にあることを明言し、決して逃げない。

善戦した昨シーズンの早大との試合後、学生に話しかける東大の森清之HC=東京・アミノバイタルフィールド
善戦した昨シーズンの早大との試合後、学生に話しかける東大の森清之HC=東京・アミノバイタルフィールド

 

 東大は2018年に関東大学リーグ1部上位のTOP8昇格を決め、今季もTOP8に所属している。

 

 10月10日に東京・アミノバイタルフィールドで予定していた中大との初戦は、台風の影響で17日に延期になった。

 

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、厳しい施設の使用制限がある国立大の練習量は、私立大よりさらに少ないと言われる状況下で、森さんがどんなチームに仕上げてくるのか。

 ウォリアーズの「本気度」に注目したい。(編集長・宍戸博昭)

宍戸 博昭 ししど・ひろあき

名前 :宍戸 博昭 ししど・ひろあき

プロフィール:1982年共同通信社入社。運動記者として、アトランタ五輪、テニスのウィンブルドン選手権、ボクシングなどスポーツ全般を取材。日本大学時代、「甲子園ボウル」にディフェンスバック、キックオフ、パントリターナーとして3度出場し、2度優勝。日本学生選抜選出。NHK―BSでNFL解説を20年以上務めている。

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