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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

IBMでチームメート 教え子の元山、佐藤両選手に聞く~前編~

2020.7.22 16:42 中村 多聞 なかむら・たもん
リモートで多聞コーチのインタビューに答える元山、佐藤の両選手
リモートで多聞コーチのインタビューに答える元山、佐藤の両選手

 

 今回は僕が指導したことのある学生選手の中でも、RBとして非常に優秀だったお二人に登場してもらいます。

 早稲田大学出身の元山伊織選手は商社。京都大学出身の佐藤航生選手はテレビ局に勤務しています。

 ご両人とも大学5年生で母校の学生コーチを経験し、現在社会人1年生。社会人として歩み始めたこの時期に、新型コロナウイルスの感染拡大の影響下でどうしているのか。インタビューしてみました。

 ともに社会人Xリーグの強豪「IBMビッグブルー」での現役選手生活の続行を選択し、不慣れな仕事にもチャレンジしています。どのような気持ちや経緯でIBMを選んだのかなど、いろいろと聞いてみました。

 

多聞:はい。そしたら写真撮るよ3、2、1、パシャ!

元山:新作のゴリゴリシャツ着ています!

佐藤:ぼくもゴリゴリシャツ着た方がいいですか?

多聞:あたりまえや!

佐藤:すぐ着替えます!

多聞:そんな早稲田っぽい色しかないんかい!

佐藤:いま手元にはこれしかないんです、ごめんなさい

 

早大時代に多聞コーチの指導を受ける元山選手(7)
早大時代に多聞コーチの指導を受ける元山選手(7)

 

多聞:ほないきまっせー。就職してしばらく経ちました。社会人生活はどうですか?

元山:5月の終わりまで在宅研修だったんですよ。マナーとかそういうのを勉強していました。先輩たちからもオンラインでいろいろと学んでいます。ですから悶々としています

多聞:その話のどこが悶々となるの? いま誰でもみんなそんな感じちゃうの? しょうもないわ。もうちょっと君ならでのエピソードを期待していたのに

元山:ああ………

佐藤:ハードル上がりますねー。僕も2カ月以上家でテレワークでした。あとは会合などがあったりで時間が自由にならなくなって、学生時代と比べたら随分と時間が不自由になったなと感じています

多聞:学生の時だって自由な時間が多かったわけでもないのでは?

佐藤:自分で決められる範囲が広かったので。アメフトをやるという意味では自由でした

 

多聞:4月に入社して4カ月ほど経って、大変だったこととかあるの?

佐藤:僕はずっと研修ばかりで長い話を聞くのがまず大変でした

多聞:佐藤は仕事なんだったっけ?

佐藤:あ、○○○です

多聞:なにそれ

佐藤:テレビ局です

多聞:ふうん

佐藤:まだ実際に仕事しているわけではないので、研修ばかりなんです。一番大変だったことは、二日酔いで翌朝も研修でつらかったことがありました。これって会社名とか出ます?   飲みに行っているとか世間的にマズいんで

多聞:そんなん言うてしまったのはそっちのミスやがな

佐藤:(黙ってあたまを下げる)

元山:僕は日々メールの書き方だったりのミスをやらかしてまして。そこでよく言われるのが、叱られてしまったときに僕はポジティブに受け止めているので、シュンとした感じのいかにも反省してまーすみたいなポーズしないんです。だから「君、ちゃんと反省してるの?」「いま言ったことちゃんと心に刺さってる?」て言われるんです。でもそれってアメフトの時からそうやっていたので

多聞:なるほどな。まあスポーツを本気でしてなかったらそんなん分からんやろな。伊織は俺に怒鳴られてもそんな感じやったから教えやすかったしな

元山:ハハハ

多聞:ところで伊織は何の仕事をしているの?

元山:僕は貿易商です

多聞:ふうん

 

多聞:二人は一緒に俺のサプライズ誕生会してくれたりとか、めっちゃ仲良しやけどお互いをどんな風に見てるの?

佐藤:もちろん今まで一緒のチームでやったことはなかったですけど、伊織はいい意味で自己主張をしっかりするし遠慮しない。先輩とかがいる中で自分をしっかり発信していてそういうところは見習わないとなって思っています。プレーに関しては基本にとても忠実で、タモンさんの教えをしっかり守っているな、体現しているなと思います。学生時代は早稲田の試合を見て参考にしていたのでよく分かるんです

元山:ありがとうございます(笑)

多聞:厚かましい奴だなーって思ったってことやね

佐藤:はい、人数が多い早稲田の中でやってこられたのも、そういう気持ちがあったからなんだろうなって思っています

元山:(照れながら)ありがとう

 

多聞:でも3年生の時は4年生に対して遠慮していたし、プレーも大したことなかったよな。伊織は佐藤のことをどう思っているの?

元山:佐藤はプライベートではボケーッとしている感じなんですけど、アメフトになるとスイッチが入るというか「ON」になるんですよ。気合入っているんですよ。コーチの話もめっちゃちゃんと聞くし、気が抜けているような時間がないですね。静かな闘志でメラメラ燃えていますね

多聞:どんなときにそない感じるの?

元山:(タモンさんの合宿で)僕が厚かましく順番を気にせずスクリメージ練習に参加していると、佐藤に割り込まれたんです。こんなこと僕にしてくる奴に初めて出会ったので新鮮でした

 

多聞:Xリーグでやるのは最初から宣言したり決めたりしてなかったよね

元山:はい。学生の時は甲子園ボウルで関学に勝って日本一になりたかったという明確な目標もありましたし、優勝や個人賞などさまざまな目標に向かっていくエネルギーも時間もあったので頑張れました。でも社会人で何を目標にしたらいいかも分かっていなかったですし、土日の練習だけで生半可にフットボールしていていいのかなんて考えていました。アメフトを軸にして生活していくことがイメージできなかった

佐藤:僕はシンプルに社会人として仕事をしっかりやるのが最初の考えでした。土日全部潰れて、平日も食事に気を使ってトレーニングをしているからといって、仕事をおろそかにしては駄目だと思っていました

 

京大時代の佐藤選手
京大時代の佐藤選手

 

多聞:それで結局フットボールをトップレベルで継続することにした理由は?

佐藤:社会人生活が始まって、アメフトの面白さを思い出したけど、仕事のために我慢していた自分もいて「アメフトをやらない理由」を探していたなって。できる状態にいるのにやらなかったら後悔するんだろうなと思いましたね

元山:僕はアメフトをしたくなったからですね。ハハハ

 

多聞:それじゃ、二人はどうしてIBMを選んだの?

元山:同じような仕事を持っている先輩も多いし、勧誘も受けていました。あとユニホームがカッコいいじゃないですか

佐藤:IBMは仕事と両立しているイメージがすごくあるので。僕も最初は仕事をメインにしようと思っていましたし、実際にそうしている先輩が多く、京大の先輩がいらっしゃるのも大きかったですね

 

 つづく

中村 多聞 なかむら・たもん

名前 :中村 多聞 なかむら・たもん

プロフィール:1969年生まれ。幼少期からNFLプレーヤーになることを夢見てアメリカンフットボールを始め、NFLヨーロッパに参戦しワールドボウル優勝を経験。日本ではパワフルな走りを生かして、アサヒ飲料チャレンジャーズの社会人2連覇の原動力となる。2000年シーズンの日本選手権(ライスボウル)では最優秀 選手賞を獲得した。河川敷、大学3部リーグからNFLまで、全てのレベルでプレーした日本でただ一人の選手。現在は東京・西麻布にあるハンバーガーショップ「ゴリゴリバーガー」の代表者。

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