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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

【編集後記】Vol.331

2020.5.28 12:34 宍戸 博昭 ししど・ひろあき
「甲子園ボウル」では、天然芝で一面が緑に覆われる甲子園球場
「甲子園ボウル」では、天然芝で一面が緑に覆われる甲子園球場

 

 新型コロナウイルスの影響で、高校野球は春の選抜大会に続いて、夏の全国選手権が中止になった。

 「甲子園」につながる各地方大会も開催されない。中止を伝える名門高校野球部の監督と、現実を受け入れる生徒とのオンラインでのやり取りを映したテレビのニュースには泣けてきた。

 

 秋から冬がシーズンの国内のアメリカンフットボールは、日本社会人Xリーグが開幕を10月に遅らせるなどの措置を取った。

 学生連盟は、リーグ戦の開始時期などを、日本協会を交えて定期的に開いているオンラインでの全国会議で検討している。

 

 コロナウイルスは、苦手な夏が過ぎると低温、乾燥の環境下で感染力を増すと言われている。身体接触が伴うフットボールは、より感染の危険性が高まるという専門家の意見もある。

 リーグ戦は開幕したけれど、再び感染が拡大し中止に追い込まれる可能性もある。先を見通せないもどかしさの中で、ここは大人が知恵を絞って最善の策を導き出してほしい。

 

 学校施設の使用は、各大学独自の判断に委ねられている。緊急事態宣言の解除後、関西学生連盟などは、練習の強度について一定の基準を加盟大学に通達しているが、リーグ戦を予定通り実施するかは、全国の加盟大学の合意が必要になる。

 教育機関である大学の許可がないのに、学連の主導で「部活動」を優先するわけにはいかないからだ。

 

 日程の再編が難しいのは関東と関西だ。ともにトップリーグは、他のリーグより多い8校で構成している。

 総当たりのリーグ戦7試合をこなし、関東大学リーグTOP8の覇者は、北海道学生リーグと東北学生リーグの勝者と、全日本大学選手権の東日本代表決定戦で同選手権決勝(甲子園ボウル)進出を懸けて対戦する。

早大と対戦した昨年の甲子園ボウルでTDパスを決める関学大のQB奥野(右端)=甲子園球場
早大と対戦した昨年の甲子園ボウルでTDパスを決める関学大のQB奥野(右端)=甲子園球場

 

 西日本は、関西学生リーグの上位3チームと東海、北陸、中四国、九州の優勝校による西日本代表決定トーナメントで甲子園ボウルの出場権を争う。

 東日本に比べて、試合数が多い西日本はどうしても日程的にタイトになる。もし、関西学生リーグの開幕が10月以降になった場合、トーナメントを実施するのは難しいかもしれない。

 

 学連の関係者は「4年生のためにも、できる限り多くの公式戦を実施したい」と口をそろえる。

 ただ、開幕する時期によっては、リーグ戦を全て消化できない事態になることも予想される。

 

 今年の第75回甲子園ボウルは、12月13日に予定されている。

 大学のフットボール選手にとって「甲子園球場」は高校球児同様、そこで試合をすることに大きな意味がある「聖地」である。

 条件がそろえば、無観客でも開催したいというのが多くの関係者の思いである。

 

 ある関係者によれば東日本、西日本の代表決定戦が例年通りに実施できなかった場合、甲子園ボウルは2008年度までのように、「東西大学王座決定戦」として開催する案も浮上しているという。(編集長・宍戸博昭)

宍戸 博昭 ししど・ひろあき

名前 :宍戸 博昭 ししど・ひろあき

プロフィール:1982年共同通信社入社。運動記者として、アトランタ五輪、テニスのウィンブルドン選手権、ボクシングなどスポーツ全般を取材。日本大学時代、「甲子園ボウル」にディフェンスバック、キックオフ、パントリターナーとして3度出場し、2度優勝。日本学生選抜選出。NHK―BSでNFL解説を20年以上務めている。

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