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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

【編集後記】Vol.327

2020.4.2 16:28 宍戸 博昭 ししど・ひろあき
NFL入りを目指すIBMのキッカー佐藤敏基選手(11)=撮影:武部真
NFL入りを目指すIBMのキッカー佐藤敏基選手(11)=撮影:武部真

 

 日本社会人Xリーグ屈指のキッカー、IBMの佐藤敏基選手(26)が、目標にしているアメリカンフットボールの最高峰、ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)入りに一歩近づいた。

 

 佐藤選手が東京・東新橋にある共同通信本社に、NFL挑戦をサポートしている会社の担当者とともにやって来たのは、昨年の7月だった。

 佐藤選手の早大時代のコーチである中村多聞さんから聞いていた通り、笑顔で夢を語る好青年という印象を持った。

 

 早大4年だった2015年に出場した立命大との甲子園ボウルで、成功すれば「逆転サヨナラ勝ち」となる52ヤードのFGを外したことが、NFL挑戦の原動力になっている。

 あの時あのFGを決めていたら、大学を卒業後に就職した大手不動産会社で今もサラリーマンをしていただろうといったことなどを、よどみなく話してくれた。

 

 佐藤選手は昨シーズンの東京ガス戦(11月)で、日本最長タイ記録となる58ヤードのFGを成功させた。

 「キックは偏った筋肉で強い力を出す特殊な運動なので、毎日蹴らない」が持論。その分、ウエートトレーニングなどで体を鍛え、178センチ、80キロをキープしている。

 

 今年に入ってNFL公認の代理人と契約した。ダラス・カウボーイズから代理人を通じて情報提供依頼があった。デトロイト・ライオンズにも「こういう日本人キッカーがいる」と、その名前は伝わっているそうだ。

 この先、越えなくてはならないハードルは多いが、存在を知られただけでも大きな収穫と言える。

 

 日本国内同様、新型コロナウイルスの感染拡大が深刻さを増している米国。あらゆる分野で社会的な営みが停止している。

 「今は、いろいろな部分で待ちの状態。呼ばれた時に、最高のパフォーマンスができるように準備したい」と、佐藤選手はいつものように前向きだ。

 

 さらに一歩踏み出すタイミングが、不気味なウイルス次第というもどかしさを感じながら、夢に向かってひたすら朗報を待つ。(編集長・宍戸博昭)

宍戸 博昭 ししど・ひろあき

名前 :宍戸 博昭 ししど・ひろあき

プロフィール:1982年共同通信社入社。運動記者として、アトランタ五輪、テニスのウィンブルドン選手権、ボクシングなどスポーツ全般を取材。日本大学時代、「甲子園ボウル」にディフェンスバック、キックオフ、パントリターナーとして3度出場し、2度優勝。日本学生選抜選出。NHK―BSでNFL解説を20年以上務めている。

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