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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

【編集後記】Vol.314

2019.12.25 16:16 宍戸 博昭 ししど・ひろあき
甲子園ボウルで優勝し、チームメートと記念写真に収まる関学大ファイターズの主務・橋本典子さん
甲子園ボウルで優勝し、チームメートと記念写真に収まる関学大ファイターズの主務・橋本典子さん=12月15日・阪神甲子園球場

 

 新しいカメラを買ったこともあり、取材先で写真を撮る機会が増えた。

 試合中の臨場感あふれるショットは、日頃お世話になっているカメラマン諸氏にお任せし、当方はもっぱらそれ以外で気になったシーンを狙う。

 

 今回は甲子園ボウルで撮影した中で「お気に入りの一枚」を掲載する。優勝した関学大「ファイターズ」を陰で支えた、主務の橋本典子さんの写真である。

 甲子園球場で、チームの学生幹部として仲間と記念写真に収まる彼女の笑顔に引き込まれ、思わずシャッターを押した。

 

 今シーズンのファイターズは、いろいろあったという。

 橋本さんは「4年生の数が多くて、なかなかまとまらなかった。胸を張って強いと言えるチームにしたかった。勝つべくして勝つチームにしたかった。今も完成形ではない」と語る。

 

 主務の仕事は、主将とはまた違った立場でたくさんある。

 「私は選手としてプレーできないので、フィールド外での行動についてどうするべきかを呼びかけてきた。苦しかったけれど、すべては日本一になるため」

 新チームになってから、完全なオフは一日もなかったそうだ。主務に立候補したときから覚悟を決め、すべてをファイターズに捧げてきた。

 

 大阪の進学校・豊中高から関学大に入学した。兄の亮さんは、2015年度の主将だった。

 このシーズンはリーグ戦で立命大に27―30で敗れ、甲子園ボウルに出場できなかった。

 「兄の夢を叶えたかなと思う一方で、勝てなかった先輩たちはもっと自分を追い込んで取り組んでいたと思うこともある」

 引き締まった表情から発せられた言葉に圧倒される。

 

 今季のファイターズには、もう1試合残っている。来年1月3日に東京ドームで開催される日本選手権(ライスボウル)だ。

 相手は、前回も厚い壁にはね返された社会人王者の富士通である。

 

 「このチームとして、後輩たちに何かを継承していくことが大切」と言う橋本さんに「あなたにとってファイターズとは?」と問うてみた。

 答えはまだ聞いていない。ライスボウルが終わったら、もう一度尋ねてみるつもりだ。(編集長・宍戸博昭)

宍戸 博昭 ししど・ひろあき

名前 :宍戸 博昭 ししど・ひろあき

プロフィール:1982年共同通信社入社。運動記者として、アトランタ五輪、テニスのウィンブルドン選手権、ボクシングなどスポーツ全般を取材。日本大学時代、「甲子園ボウル」にディフェンスバック、キックオフ、パントリターナーとして3度出場し、2度優勝。日本学生選抜選出。NHK―BSでNFL解説を20年以上務めている。

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