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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

カウボーイズ、プレーオフ進出なるか 正念場迎えたギャレットHC

2019.12.25 11:12 生沢 浩 いけざわ・ひろし
イーグルスに敗れフィールドを後にするカウボーイズのギャレットHC(AP=共同)
イーグルスに敗れフィールドを後にするカウボーイズのギャレットHC(AP=共同)

 

 NFLのレギュラーシーズンも最終週を残すのみとなった。

 

 AFCでは勝率の高い順にレーベンズ(13勝2敗)、ペイトリオッツ(12勝3敗)、チーフス(11勝4敗)、テキサンズ(10勝5敗)がそれぞれ地区優勝を決めてプレーオフに進出する。

 

 

 レーベンズはAFCでの最高勝率が確定しており、第1シードとなってプレーオフを通してのホームフィールドアドバンテージを持つ。

ブラウンズ戦でTDパスを決めて喜ぶレーベンズのQBジャクソン(AP=共同)
ブラウンズ戦でTDパスを決めて喜ぶレーベンズのQBジャクソン(AP=共同)

 

 2枠あるワイルドカードはビルズ(10勝5敗)が確定。最終枠の第6シードだけが未定だ。

 

 

 NFCはパッカーズ(12勝3敗)、セインツ(12勝3敗)の地区優勝が決定。西地区は49ers(12勝3敗)とシーホークス(11勝4敗)がともにプレーオフ出場権を獲得しているが、地区優勝の行方は最終週の直接対決で決まる。

 

 

 バイキングズ(10勝5敗)もプレーオフが確定しており、残り1枠は東地区の優勝チームとなる。

 

 その1枠を争うのがイーグルス(8勝7敗)とカウボーイズ(7勝8敗)だ。

 

 有利なのは1勝分のリードがあるイーグルスで、次戦のジャイアンツ戦に勝てば優勝。カウボーイズはレッドスキンズに勝ってさらにイーグルスが負けないと逆転地区優勝の目がない。

地区優勝を決めたチーフスのQBマホームズ(15)(AP=共同)
地区優勝を決めたチーフスのQBマホームズ(15)(AP=共同)

 

 

 イーグルスとカウボーイズは第16週に今季2度目の直接対決を迎えた。

 

 ともに7勝7敗ではあったが、地区優勝を占う天王山の一戦となった。結果はイーグルスが勝利して今季の対戦を1勝1敗とし、カウボーイズは自力優勝がなくなった。

 

 この敗戦で浮上してきたのが、カウボーイズのジェイソン・ギャレットHCの解任説だ。

 

 

 ギャレットHCは、2010年のシーズン途中で解雇されたウェイド・フィリップス前HCの代行を務め、翌年から正式にHCに就任した。

 

 現在のNFLでは6番目に長い「政権」だ。9年余りでカウボーイズをプレーオフに導いたのは3回。過去5年間は1年ごとにプレーオフ出場とレギュラーシーズン敗退を繰り返している。

 

 

 プレーオフでの戦績は2勝3敗で、準決勝にあたるディビジョナルラウンドを突破したことはない。

 

 ジェリー・ジョーンズオーナーにとってこの成績は行け入れがたいものだ。

 

 スーパーボウルで5度の優勝を誇り「アメリカズチーム」の異名をとるカウボーイズは、常にリーグ制覇を求められる。

パスを好捕する49ersのTEキトル(85)(AP=共同)
パスを好捕する49ersのTEキトル(85)(AP=共同)

 

 

 しかし、その名門も1995年シーズンを最後にスーパーボウルには縁がなく、プレーオフも初戦敗退を幾度となく繰り返してきた。

 

 ジョーンズ氏がカウボーイズを買収した1989年以降で最も長くHCを務めた人物がギャレットHCだが、そろそろ忍耐も限界に来たようだ。

 

 シーズン前にはギャレットHCに対しプレーオフに出場するだけでは不十分で、勝ち進むことが契約の継続に不可欠だと通達したとも伝えられる。

 

 現在はまだプレーオフの可能性が残されており、そこから勝ち進むというシナリオがないわけではない。

 

 ただ、イーグルスの有利は否めず、ギャレットHCがジョーンズ氏が提示した課題をクリアするのは簡単ではない。

 

 プレーオフへの可能性が残されていることが、ジョーンズ氏にとってはかえって足かせになっているかもしれない。

 

 現時点でギャレットHC解雇を決断して新HC探しに着手することができないからだ。

 

 既にロン・リベラ前HCをシーズン途中で解任しているパンサーズは前パッカーズHCのマイク・マッカーシー氏に接触をしたという情報がある。

 

 

 HCにふさわしい人材は限られており、いい人材ほど早く契約がまとまってしまう。特に、今シーズン後は6~8チームが新HCを求める可能性があり、激しい争奪戦も予想される。

 

 幸いカウボーイズには、QBダック・プレスコットやRBエゼキエル・エリオットといったタレントがそろっており、HC就任を希望する人材は少なくないだろう。

イーグルス戦でパスを投げるカウボーイズのQBプレスコット(AP=共同)
イーグルス戦でパスを投げるカウボーイズのQBプレスコット(AP=共同)

 

 

 もっとも、常に優勝を目指すことを求められる伝統あるチームを率いる重責を覚悟の上だが。

 

 過去の実績ではなく現在の結果が求められるのがスポーツの指導者だ。

 

 殿堂入りしたトロイ・エイクマン氏の控えQBから攻撃コーディネーターを経て、長期にわたってカウボーイズに在籍してきたギャレットHCが、正念場を迎えている。

生沢 浩 いけざわ・ひろし

名前 :生沢 浩 いけざわ・ひろし

プロフィール:1965年生まれ。上智大卒。1991年にジャパンタイムズ入社。大学時代のアメリカンフットボール経験を生かし、フットボールライターとしても活動。NHKーBSや日テレG+でNFL解説者を務める。「Pro Football Writersof America」会員。

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