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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

モットーは「素直・謙虚・感謝」 佼成学園高・小林孝至監督

2019.12.23 17:19 宍戸 博昭 ししど・ひろあき
表彰式で、優勝した立命館宇治に拍手を送る佼成学園の小林孝至監督(手前)
表彰式で、優勝した立命館宇治に拍手を送る佼成学園の小林孝至監督(手前)=12月22日・横浜スタジアム

 

 会う度にいい顔になっていく。佼成学園(東京)の小林孝至監督である。

 

 12月22日、横浜スタジアムで行われた、全国高校選手権決勝(クリスマスボウル)で、小林監督率いる「ロータス」は、立命館宇治(京都)に7―18で敗れ、史上4校目となる大会4連覇を阻まれた。

 

 当然悔しさはある。しかし、それを表に出さず相手を称賛する姿が実に自然ですがすがしい。

 試合後、自ら立命館宇治の木下裕介監督に歩み寄り祝福する。高校生を指導する難しさを知る者同士が、お互いの健闘をたたえ合った。

 

 昨年は、立命館宇治に第3クオーターまでに19点差をつけられながら、第4クオーターで大逆転し3連覇を達成した。

 

 「立命館宇治は、この一年で一番苦労したチーム。我々もリスペクトの気持ちを持って試合ができた。こちらのミスは、実力の差が原因で出たもの。そういうチームとクリスマスボウルという舞台で試合ができて、自分たちも成長できたと思う」

 小林監督らしいコメントだった。

「クリスマスボウル」でパスを試みる佼成学園のQB小林宏充選手=撮影:高木信利
「クリスマスボウル」でパスを試みる佼成学園のQB小林宏充選手=撮影:高木信利

 

 26年前、25歳で監督に就任した。日大時代に黄金期を支えた名RBも、指導者としては試行錯誤の連続だった。

 2016年シーズン。大阪・キンチョウスタジアムで目標だった関西学院(兵庫)に勝ち、初の高校日本一になった。

 流した涙には、それまでの苦労が凝縮されていた。

 

 チームのモットーは「素直・謙虚・感謝」。勝敗より大切なものがあることを、日頃から教え子に植え付けている。

 「今年のチームは一歩及ばなかったが、いい文化をしっかり受け継いだ日頃の取り組みを見ていて立派だと思っている。生徒には、準優勝できたことが素晴らしいと伝えたい。下を向くことなく、胸を張って次のステップに進んでほしい」

 

 エースQBの長男・宏充選手とは佼成学園中から6年間、二人三脚で歩んできた。

 「彼は先輩たちを見て、成長してくれた。誇れる息子です」

 小林監督は、ちょっぴり声を震わせながらしみじみ言った。

 

 来春には、佼成学園中でQBとしてプレーしている次男が、高校に入学する。

「クリスマスボウル」準優勝の佼成学園の選手、スタッフ=撮影:Gyasan
「クリスマスボウル」準優勝の佼成学園の選手、スタッフ=撮影:Gyasan

 

宍戸 博昭 ししど・ひろあき

名前 :宍戸 博昭 ししど・ひろあき

プロフィール:1982年共同通信社入社。運動記者として、アトランタ五輪、テニスのウィンブルドン選手権、ボクシングなどスポーツ全般を取材。日本大学時代、「甲子園ボウル」にディフェンスバック、キックオフ、パントリターナーとして3度出場し、2度優勝。日本学生選抜選出。NHK―BSでNFL解説を20年以上務めている。

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