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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

注目の一戦はレーベンズに軍配 QBジャクソンが49ers守備を攻略

2019.12.4 11:02 生沢 浩 いけざわ・ひろし
49ers戦で走りながらパスターゲットを探すレーベンズのQBジャクソン(AP=共同)
49ers戦で走りながらパスターゲットを探すレーベンズのQBジャクソン(AP=共同)

 

  NFL第13週の注目の一戦は、なんといっても49ers対レーベンズの試合である。

 前週までで49ersはペイトリオッツと並ぶNFLトップの10勝1敗で、対するレーベンズは7連勝中。なによりもリーグ1位の49ersディフェンスが「規格外」のQBラマー・ジャクソンをいかに止めるかが焦点だった。

 

 結果からいえば49ersもジャクソンのランに対して有効な策を打ち出せずに惜敗し、今季のスーパーボウルの前哨戦とも言われた大一番はレーベンズの勝利に終わった。

 

 激しい雨が降りフィールドコンディションが悪い中で、ジャクソンもパスを投げまくるとはいかなかった。

 23回の試投で14回の成功、105ヤードと1TDの獲得に終わった。

 

 しかし、投げられなければ脚で試合を組み立てるのがジャクソンだ。計101ヤードを走る韋駄天ぶりで49ersを翻弄した。

 ジャクソンは今季4度目の100ヤードラッシュを記録。NFLでは1シーズンで4回以上の100ヤードラッシュを達成した初めてのQBとなった。

 

 見事だったのは試合終盤だ。17―17で迎えた第4Qにジャクソンは第4ダウンギャンブルを成功させるなど6分半近くのドライブを続け、ジャスティン・タッカーの49ヤードの決勝FGのお膳立てをした。

 フィールドコンディションが悪いなら悪いなりに自分の長所を存分に生かしてドライブを継続させる能力は、もはやベテランの域に達している。

 

 これでレーベンズは連勝を8に伸ばして10勝2敗となった。AFC首位だったペイトリオッツもテキサンズに敗れたため同率で並ぶ。

 ただし、第9週の対戦ではレーベンズが勝っているため、現時点ではプレーオフの第1シードの座を暫定的に保持していることになる。

QBブレイディ(12)が率いるペイトリオッツは、テキサンズに敗れ2敗目を喫した(AP=共同)
QBブレイディ(12)が率いるペイトリオッツは、テキサンズに敗れ2敗目を喫した(AP=共同)

 

 一方の49ersはNFC単独首位の座を失った。勝率では早々とNFC南地区優勝を決めたセインツ、NFC西地区のシーホークスと並ぶNFC1位タイだが、シーホークスとの直接対決で負けているため実質はNFC西地区2位だ。

 仮に今プレーオフが始まったとすると第5シードの位置で、ホーム開催権がほぼないという状況だ。

 

 時差の大きい東海岸や寒冷地でのプレーオフゲームを可能な限り避けたい49ersとしては、是が非でも西地区優勝がほしいところだ。しかし、その道のりは険しい。

 

 

 第14週にはアウェーでセインツと対戦し第16、17週にはラムズ、シーホークスとのディビジョン対決がある。

 特に最終週のシーホークス戦は首位の座、シード順位、バイウイークの有無を懸けた重要な試合になる見込みだ。

 

 序盤から快調に勝ち進んできた49ersが、いよいよその真価を問われる。

 わずか2敗しかしていないのだが、状況は楽ではない。むしろ、残り4週はもう一つも負けられないほど厳しいと言わざるを得ない。

生沢 浩 いけざわ・ひろし

名前 :生沢 浩 いけざわ・ひろし

プロフィール:1965年生まれ。上智大卒。1991年にジャパンタイムズ入社。大学時代のアメリカンフットボール経験を生かし、フットボールライターとしても活動。NHKーBSや日テレG+でNFL解説者を務める。「Pro Football Writersof America」会員。

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