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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

オハイオ州立大、ペン州立大かわす オレゴン大はアリゾナ州立大に苦杯

2019.11.27 13:51 丹生 恭治 にぶ・きょうじ
投げられたボールに反応するオハイオ州立大のDBフラー(4)(AP=共同)
投げられたボールに反応するオハイオ州立大のDBフラー(4)(AP=共同)

 

 前の週が好カード目白押しで、レギュラーシーズンはこのまま最後まで盛り上がって進行するのではないかなどと考えたものだが、第13週は淡々と進行した。

 

 この週はビッグ10の看板ゲームの一つ、オハイオ州立大がペンシルベニア州立大を招いた試合が中心となった。

 ランキングはオハイオ州立大が2位。ペン州立大が選手権大会ランキングで8位、記者、監督投票では9位とかなりの高順位校同士の対戦だった。

 ビッグ10という名門リーグの王者決定に大きく響くであろうと誰もが思っていた重要なカードは、その期待とは大きく食い違い、オハイオ州立大のペースで片が付いた。

 このような重い内容のカードに的確に反応するあたりが「古豪」の強味ともいえる。

 

 ペン州立大とチーム名を少し短くしたが、日本では受け入れられている表現かどうか。しかし、10文字の校名はやはり少し長いような気がする。

 もっとも、ペン州立大としたのは、米国の「Penn ST」の直訳で、今後とも日本でもこれで通用してくれればいいな、とも思う。

 

 ペン州立大としたのは実は初めてではない。その昔転勤、転勤で東京と関西の間を頻繁に行ったり来たりしていた時代、神戸の「サンテレビ」に依頼されて、本場のカレッジフットボールのウイークリーの翻訳を手伝ったことがある。

 翻訳といっても15分ばかりの番組のナレーションを訳したのを、フットボール専門家の立場から誤りがないかどうかを点検するだけのアドバイザーで、作業は簡単だった。

 そのウイークリーで取り上げられていたのがこの大学で、私たちはペン州立大と呼んでいたというわけだった。

 

 ジョー・パターノ監督の時代だった。チームは独立校だった。まじめなチームづくり。大真面目なオフェンス。手堅いディフェンス。

 本場だからもっと派手で、意外性に富んでいるのではないかと考えていたのが、ことごとくひっくり返されたのにはびっくりした。

 おかげで本場のカレッジフットボールについて基礎的なことをたっぷり知ることができた。これはありがたかった。

 

 このペン州立大が、今季からビッグ10に加盟した。いろいろな面で大変だとは思うが、組織も当のチームにとってもいいことには違いないと思う。

 

 試合の方はオハイオ州立大がQBジャスティン・フィールズとRBのJ・K・ドビンズの二人が持ち味を生かして各QにTDを挙げ、守備陣はペン州立大の必死の反撃を第3Qの17点に抑えて28―17で逃げ切った。

 

 他は強いチームが順当勝ちした。ランク1位のルイジアナ州立大(LSU)は第3Qまでで7TDを挙げて、56―20とアーカンソー大を圧倒。4位のジョージア大はRBのダンドリー・スウィフトのランプレーで第2QにTDを挙げ、19―13でテキサス農工大を退けた。

 またアラバマ大は控えのQBマック・ジョーンズの大活躍で66―3とウエスタンカロライナ大に大勝した。ジョーンズのプレーでは3本のTDパスが高い評価を得ていた。

 

 番狂わせは6位オレゴン大がアリゾナ州立大に28―31で敗れた試合だろう。そもそもオレゴン大はこの月末の2戦をうまく乗り切れば、場合によっては選手権大会への声がかかるチャンスもあった。

 ところがその望みはアリゾナ州立大の若いQBにあっさり断ち切られてしまった。これで選手権大会出場にかなり近寄っていたオレゴン大の出場が遠のいた。

 

 4校出場の選手権大会は、前回も述べた通り南東リーグ(SEC)のランク1位LSU。ビッグ10のランク2位オハイオ州立大。大西洋岸リーグ(ACC)のラン3位のクレムソン大と候補が並んでいた。いずれも全勝校でここまでは問題なしだった。

TDパスをキャッチするLSUのWRチェース(1)(AP=共同)
TDパスをキャッチするLSUのWRチェース(1)(AP=共同)

 

 しかし、4校目が難しかった。ランキングの順位だけなら、文句なくジョージア大。続いてアラバマ大。しかし、両校の所属はいずれもSEC。できれば、ここは別の組織が望ましかった。

 例えば太平洋岸12大学か、ビッグ12の所属。その意味では太平洋岸12大学のオレゴン大は「希望」に満ちていた。それが2敗目を喫した、というわけである。

 1敗チームの数は多いが、ランクから見ての適任チームは果たして登場するかどうか。興味は尽きない。

丹生 恭治 にぶ・きょうじ

名前 :丹生 恭治 にぶ・きょうじ

プロフィール:1934年生まれ。関西学院大学卒業後、東京新聞社で運動記者としてスタートし、1962年に共同通信社へ移籍。著書に、中学時代から関学で親しんだアメリカンフットボール生活を描いた「いざいざいざ」がある。甲子園ボウルには高校時代と合わせて6度優勝。

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