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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

歴代ベストメンバーは誰? 100年目のシーズン迎えたNFLが企画

2019.11.27 12:15 生沢 浩 いけざわ・ひろし
殿堂入り式典で、ファンに手を振るジョー・モンタナ氏(ロイター=共同)
殿堂入り式典で、ファンに手を振るジョー・モンタナ氏(ロイター=共同)

 

 今年のNFLは100年目のシーズンと銘打ち、数々のキャンペーンを行っている。

 1920年に既存のプロチーム四つが集結し、統一ルールを作って「アメリカン・プロフェッショナルフットボール・アソシエーション(APFA)」としてリーグ編成したのが現在のNFLの始まりである。

 ちなみにこのリーグ編成のための会議が行われたのがオハイオ州カントンで、プロフットボールの殿堂がこの地にあるのはそれが理由だ。

 

 「100年記念キャンペーン」のなかにはNFL(APFAを含む)に在籍した選手のなかから架空のオールタイムチーム(歴代ベスト)メンバーを選出するという企画がある。

 これが「オタク」心理を刺激してなかなか面白い。選考委員会がポジションごとに候補者を絞り「歴代最高チーム」が発表される運びだ。

 筆者も触発されて自分なりのオールタイムチームを選ぼうとしたのだが、これが実に悩ましい。

 ポジションごとに自分がベストと思う選手を選べばいいと思っていたのだが、そう簡単にはいかないようだ。

 

 筆者がリアルタイムでNFLを見るようになったのは1980年代からなので、それ以降の選手に限ってオールタイムチームを考えてみる。

第12週のカウボーイズ戦でパスを投げるペイトリオッツのQBトム・ブレイディ(AP=共同)
第12週のカウボーイズ戦でパスを投げるペイトリオッツのQBトム・ブレイディ(AP=共同)

 QBはジョー・モンタナかトム・ブレイディだ。う~ん。スーパーボウル優勝回数ではブレイディに分があるが、好みでモンタナにする。とすればWRにはジェリー・ライスは外せない。

 逆サイドのWRはクリス・カーターかランディ・モス、はたまたアンドレ・リード?キャッチのうまさならマービン・ハリソンも捨てがたい。

 

 TEはロブ・グロンカウスキーかトニー・ゴンザレスを入れたい。いや、待てよ。この二人はどちらかというと現代的TE、つまりWR並みのパスコースを走れるTEだ。

 モンタナやライス、カーターとの相性ならオジー・ニューサムやシャノン・シャープの方がいいか。

49ersなどで一時代を築いたWRジェリー・ライス氏(AP=共同)
49ersなどで一時代を築いたWRジェリー・ライス氏(AP=共同)

 

 RBはどうしよう? 好みはウォルター・ペイトンだが実績ならエミット・スミス。いやバリー・サンダースも捨てがたい。スミスとサンダースはプレースタイルが違い過ぎるから、OLの選択も変わってくる。

 Cは安定のジェフ・サタデーかインテリのマット・バークか。OG、OTは機動力を生かしてラリー・アレン、ラス・グリム、ウォルター・ジョーンズ。パスプロテクションの安定ならブルース・マッシューズ、オーランド・ブラウン、ジョナサン・オグデン、マイク・ムンチャック。

 RBにスミスを起用するかサンダースを使うかでOLの構成は決まるのだが、どちらがモンタナ―ライス、ニューサムのパス攻撃にマッチするのだろうか。 

 

 ディフェンスは3―4隊形でいきたい。NTはケイシー・ハンプトン、DEはJ.JとT.J.のワット兄弟。LBにはローレンス・テイラー、レイ・ルイス、マイク・シングレタリー、デリック・トーマス。

 でも、ルフォン・カークランド、ジュニア・セアウ、ブライアン・アーラッカー、現役のルーク・キークリー、テレル・サッグス、カリル・マックもパスラッシュ強化で欲しいところだ。

 

 セカンダリーではSにトロイ・ポラマルとエド・リード、CBはロッド・ウッドソンとロニー・ロットでどうか。

野性味あふれるプレースタイルでファンを魅了した元スティーラーズのSトロイ・ポラマル氏(AP=共同)
野性味あふれるプレースタイルでファンを魅了した元スティーラーズのSトロイ・ポラマル氏(AP=共同)

 スペシャルチームはKにアダム・ビナティエリ、Pサム・クック、KRデビン・ヘスターというところか。

 

 自分で選んでおきながらいまひとつ納得がいかないのは、このチームで勝てるかどうかに自信が持てないからだ。

 その理由はユニットとしてのケミストリー(相性)がとれている保証がない。例えばモンタナは典型的なウエストコーストパサーで、ショートパスを駆使してオフェンスを展開した。

 

 こうしたQBにはRBはサンダースよりもマーシャル・フォークの方が合っているかもしれない。

 なによりもオフェンスの核となるべき存在がQBとRBの両方に存在してはチームの方向性が定まらない懸念がある。

長年カウボーイズのエースRBとして活躍したエミット・スミス氏(ロイター=共同)
長年カウボーイズのエースRBとして活躍したエミット・スミス氏(ロイター=共同)

 その一方で、サンダースと現在のQBラッセル・ウィルソンやラマー・ジャクソンが同じチームにいたら、どんなオフェンスを展開するだろうかと想像してみるのも面白い。

 

 各ポジションのスーパースターを集めればそのまま強いチームが生まれるというわけではないところにフットボールの面白さがある。

 やはりフットボールはケミストリーが重要なのだと、オールタイムチームの選考過程を見てあらためて思った。

生沢 浩 いけざわ・ひろし

名前 :生沢 浩 いけざわ・ひろし

プロフィール:1965年生まれ。上智大卒。1991年にジャパンタイムズ入社。大学時代のアメリカンフットボール経験を生かし、フットボールライターとしても活動。NHKーBSや日テレG+でNFL解説者を務める。「Pro Football Writersof America」会員。

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