メニュー 閉じる メニュー
スポーツ

スポーツ

週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

【編集後記】Vol.309

2019.11.21 10:08 宍戸 博昭 ししど・ひろあき
学生王者・関西学院大を相手に健闘した西南学院大「グリーンドルフィンズ」=撮影:川井毅
学生王者・関西学院大を相手に健闘した西南学院大「グリーンドルフィンズ」=撮影:川井毅

 

 11月16、17日に福岡・春日公園球技場などで行われた、全日本大学選手権の西日本代表決定トーナメント2回戦は、地方リーグ代表の健闘が光った。

 「九州の雄」西南学院大は、学生王者・関西学院大に真っ向勝負を挑み、善戦した。東海リーグを制した中京大も、今季関西リーグで旋風を巻き起こした神戸大に肉薄した。

 

 博多での単身赴任中に、西南学院の故桑原直樹前監督と知り合い、チームのアドバイザーになった。

 2008年シーズン、西南学院を11年ぶりのリーグ優勝に導いた桑原さんが、平和台陸上競技場で胴上げされたシーンは今でもよく覚えている。

名城大に敗れた試合で学生に話しかける西南学院大の故桑原直樹前監督=2016年11月19日、春日公園球技場
名城大に敗れた試合後、学生に話しかける西南学院大の故桑原直樹前監督=2016年11月19日、春日公園球技場

 

 「九州でアメリカンフットボールをメジャーなスポーツにしたい」が口癖だった桑原さんは、2017年の1月15日に57歳の若さで急逝した。

 西南学院の今年の4年生には逸材が多く、桑原さんがとても楽しみにしていた学年だ。

 副将のRB篠崎蓮選手は、高い運動能力を買われて1年生の時からDBとして活躍。今回の関西学院戦では、痛めた脚を引きずりながら攻守兼任で奮闘していた。

 

 「刀折れ矢尽きる」という表現は適当ではないかもしれないが、「グリーンドルフィンズ」はフィールドにいる選手とサイドラインのスタッフが一体となって、学生王者に必死で食らいついていった。

 

 試合はネット中継での観戦で、現場に足を運ばなかったことを大いに後悔している。

 当日、場内実況を務めたテレビ西日本(TNC)の川崎聡アナウンサーからは「スタンドは満員で、西南学院の大健闘に感動した」というメッセージが届いた。

 

 「桑原さんに見せたかった」。後を引き継いだ関西大OBの吉野至監督や現役の学生全員の思いだろう。

西南学院大と関西学院大の試合結果を表示したスコアボード=撮影:川井毅
西南学院大と関西学院大の試合結果を伝えるスコアボード=撮影:川井毅

 

 北陸学生連盟の協力で実現したライブ中継も素晴らしかった。

 流ちょうな日本語とは言えないけれど、実況と解説を一人で担当していたアメリカの方と思われる男性のフットボールへの愛情がにじむ語り口は、聞いていてとても心地よかった。

 地方リーグの熱意と熱気が伝わってくる、ナイスゲームだった。(編集長・宍戸博昭)

宍戸 博昭 ししど・ひろあき

名前 :宍戸 博昭 ししど・ひろあき

プロフィール:1982年共同通信社入社。運動記者として、アトランタ五輪、テニスのウィンブルドン選手権、ボクシングなどスポーツ全般を取材。日本大学時代、「甲子園ボウル」にディフェンスバック、キックオフ、パントリターナーとして3度出場し、2度優勝。日本学生選抜選出。NHK―BSでNFL解説を20年以上務めている。

最新記事