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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

LSUがアラバマ大倒す ミネソタ大はペン州立大に競り勝つ 米大学フットボール

2019.11.12 12:00 丹生 恭治 にぶ・きょうじ
アラバマ大守備陣を飛び越えてTDするLSUのRBエドワーズ(22)(AP=共同)
アラバマ大守備陣を飛び越えてTDするLSUのRBエドワーズ(22)(AP=共同)

 

 つい先ごろまでは全勝校はゾロゾロいたのに、気がついてみると、1部130校で星を落としていないチーム、つまり全勝のチームはわずか5校になっていた。

 といっても米カレッジフットボールではこれが普通で、オール白星がない年などはざらであることを思い出した。一月ほど前にリポートした時に比べて情勢はガラッと変わっていた。

 

 全勝校を東の方から紹介しておく。まず大西洋岸リーグ(ACC)の雄クレムソン大。リーグ内で6連勝し、外部からは3勝して9連勝。年末から年頭にかけて開かれる4校のトーナメントの大学選手権出場を目指して、慎重な戦いぶりだ。

 

 中西部へ移りビッグ10。ここは東地区のオハイオ州立大が無傷で健在だ。リーグ戦6勝、外部3勝とクレムソン大あたりと同じ星数の9勝で、足元を固める。

 西地区はミネソタ大。全く同数の勝利数なのに、ランキング上の評価は意外に低い。AP通信のランキングは報道関係者、USAトゥデーは有力校の指導者の投票によるもので、両者の評価は同じようなものだが、それだけにミネソタ大の順位は少しつついてみたくなる。

 

 開幕当初から2、3票の投票はあるものの、今季ミネソタ大がランキングに姿を見せたのは10月の上旬。指導者投票でやっと25位に顔を出した。

 しかし報道関係者投票の方ではいわば「26位」に当たる得票にとどまり、ランク入りはその次の週にずれ込んだ。同リーグのオハイオ州立大が最初から5、6位に挙げられていたのに比べて、雲泥の相違だった。

 

 11月当初のランキングで、ミネソタ大は両ランクともに「13位」。この月に始まった選手権大会向けのランクでは、これより低い「17位」となっていた。

 全勝校はこのほかにビッグ12のベイラ―大があり、これも6勝と3勝で計9連勝。南東リーグ(SEC)ではルイジアナ州立大(LSU)がリーグ戦5勝、外部4勝でこれまた9連勝を記録して、5校目に名乗りを上げた。

 このほかに現在、1敗のチームを13、4校数えているが、これも11月の末ごろになると、全勝校同様の減少を見ることだろう。

 

 さてこの週は誰もがアラバマ大とLSUの決戦に目を向けたに違いない。これ一つ紹介すれば十分だろうと高をくくっていたら、とんでもない結果が生まれた。

 これまで恵まれない順位に甘んじていたミネソタ大が、ビッグ10のリーグ戦でペンシルベニア州立大をものの見事に打倒して見せたのだから、やはりカレッジフットボールは面白い。

ペンシルベニア州立大に勝って喜ぶミネソタ大の選手たち(AP=共同)
ペンシルベニア州立大に勝って喜ぶミネソタ大の選手たち(AP=共同)

 

 まずこの週の看板ゲームから述べる。アラバマ州タスカルーサのブライアント・デニー・スタジアムで開かれたSEC西地区の決戦は、LSUが好調に滑り出し第1Q5分過ぎ、QBジョー・バーロウがWRジャマール・チェイスへ先制のTDパスを決める。

 さらに5分ほど経ったころ、Kケード・ヨークが40ヤードのFG。一方アラバマ大は第1Q終盤、リターナーのジェイレン・ワドルが77ヤードのパントリターンでTDを返した。

 

 さらに第2Q、LSUはWRテラス・マーシャルへのTDパスで加点。アラバマ大もWRデボンタ・スミスへのパスでTDを記録して展開は五分だったが、前半終盤にLSUが一気に17点を奪った。

 残り4分余でまずFGを記録し、残り30秒と11秒、立て続けに2TDを挙げて、33―13で折り返した。

 後半はアラバマ大のペース。第3QにパスでTDを返した後、QBタゴバイロアの好リードから3TDを重ねてLSUに迫ったが、LSUもエースRBらの活躍で2TDを挙げ、急追するアラバマ大を突き放した。

 46―41。このような高得点ゲームはしばしば守備が注目されるが、このカードは、両校のQB、RBの力量を高く評価したい。

 

 ビッグ12ではオクラホマ大がアイオワ州立大に食い下がられる大苦戦。残り24秒でTDを許し、42―41と詰め寄られた後の2点のTFPをCBパーネル・モトリーがインターセプトする劇的なプレーで逃げ切った。

 ランク4位のペンシルベニア州立大に挑んだ17位のミネソタ大はQBターナー・モーガンの339ヤードを投げ、3TDをマークする活躍が光り31―26で勝ち、選手権争いに名乗りを上げた。

 

 シーズンの深まりとともに、プレーオフの出場権争いは激しさを増す。メリーランド大を73―14で下したオハイオ州立大を筆頭にランク上位校がしのぎを削り、目が離せなくなってきた。

丹生 恭治 にぶ・きょうじ

名前 :丹生 恭治 にぶ・きょうじ

プロフィール:1934年生まれ。関西学院大学卒業後、東京新聞社で運動記者としてスタートし、1962年に共同通信社へ移籍。著書に、中学時代から関学で親しんだアメリカンフットボール生活を描いた「いざいざいざ」がある。甲子園ボウルには高校時代と合わせて6度優勝。

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