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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

【編集後記】Vol.307

2019.11.7 11:33 宍戸 博昭 ししど・ひろあき
2017年のリーグ戦、関学大―立命大の第4クオーター、突進する関学大QB西野(右端)=万博記念競技場
2017年の西日本代表決定戦、関学大―立命大の第4クオーター、ボールを持って前進する関学大QB西野(右端)=万博記念競技場

 

 大阪モノレールを「万博記念公園」で乗り換え「公園東口」で降りると、目の前に万博記念競技場がある。

 

 早いもので、今年もその季節がやって来た。

 関西学生リーグの大一番、関学大―立命大のライバル対決は、11月10日の15時にキックオフを迎える。

 

 駅から競技場まで徒歩で約2分。試合に出るわけでもないのに、なぜか緊張する。

 国内の学生レベルでは最も高い戦略性に富んだ攻防が、これから目の前で展開されると思うと、興奮を抑えきれない気持ちになる。

 アメリカンフットボールの魅力がぎっしり詰まった、濃密な時間がそこにある。

 

 2年前、2017年のリーグ戦は立命大が21―7で快勝。再戦となった2週間後の全日本大学選手権西日本代表決定戦では、関学大が34―3で雪辱した。

 一つのミスが試合の流れを変えるアメフトの1クオーター12分、正味48分の試合時間はとても短い。

 

 「誰でもストレスを感じるが、監督の役割は選手のストレスを最小限に抑えて自由にさせ、冷静な頭脳を持てるようにして、試合で持てる能力を発揮できるようにしてあげることだ」

 ラグビーのワールドカップ(W杯)でイングランドを準優勝に導き、4年前までは日本代表を指揮したエディー・ジョーンズ氏の言葉である。

 

 選手をフィールドに送り出すまでの〝仕込み〟の手法は同じでも、アメフトの監督、コーチが試合にコミットできる度合いはラグビーよりはるかに多い。

 チームとしての総合力を試されるスポーツだからこそ、事前の準備が大切になる。

 

 ただ、実際にフィールドでプレーするのは選手である。「ベストのサムライは常にゲームプランを持ち、(展開に)適応できてクールな頭脳を持っているが、攻撃性にも富んでいる」

 ジョーンズ氏のコーチング哲学を引用すれば、勝利を手にするためには状況に応じた柔軟性が必要ということになる。

 

 ジョーンズ氏は、選手に最悪のシナリオを想定して試合に臨むことを求めるそうだ。

 覚悟を決めた「ファイターズ」と「パンサーズ」が、どんな戦いを見せてくれるのか。勝敗を超えた、見る者の心を動かす何かを今回も期待したい。(編集長・宍戸博昭)

宍戸 博昭 ししど・ひろあき

名前 :宍戸 博昭 ししど・ひろあき

プロフィール:1982年共同通信社入社。運動記者として、アトランタ五輪、テニスのウィンブルドン選手権、ボクシングなどスポーツ全般を取材。日本大学時代、「甲子園ボウル」にディフェンスバック、キックオフ、パントリターナーとして3度出場し、2度優勝。日本学生選抜選出。NHK―BSでNFL解説を20年以上務めている。

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