メニュー 閉じる メニュー
スポーツ

スポーツ

週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

ジョージア大がサウスカロライナ大に苦杯 ノートルダム大は南加大に競り勝つ

2019.10.16 12:00 丹生 恭治 にぶ・きょうじ
ノートルダム大のDLカリーム(53)にサックされる南加大のQBスロビス(9)(AP=共同)
ノートルダム大のDLカリーム(53)にサックされる南加大のQBスロビス(9)(AP=共同)

 

 ランキング3位のジョージア大がランキング外のサウスカロライナ大に黒星をつけられた。

 南カロライナ大はいいスタートを切り、前半は17―10と1TDのリードを奪った。先手を取られたジョージア大は慌てたわけではないだろうが、さっぱり調子が上がらない。

 第4Q終盤、ようやく96ヤードのTDドライブに成功。パスで同点に追いつき延長戦へ持ち込んだ。

 

 今季の両校の「格付け」、つまり全米3位というジョージア大のランキングの高さなどからみて、さっさと勝負がつきそうに思えたが、サウスカロライナ大の粘りに凱歌が上がった。

 2度の延長の末、最後はFG合戦。ジョージア大が33ヤードのFGをミスしたのに対し、サウスカロライナ大はキッカーのパーカー・ホワイトが23ヤードのFGをあっさり決め20―17でランク校を倒す殊勲の金星を挙げた。

TDパスをキャッチするジョージア大のWRロバートソン(16)(AP=共同)
TDパスをキャッチするジョージア大のWRロバートソン(16)(AP=共同)

 

 殊勲の、などと大番狂わせ扱いしたのも、両校のレベルから見れば不思議ではない。

 これまでサウスカロライナ大の大西洋岸や深南部での「強さ」「格の高さ」に絶えず触れていた人間から見れば、ジョージア大と互角に戦っても、不思議でも何でもないと思ってしまうのである。

 

 しかも所属するのはともにレベルの高い南東リーグ(SEC)。あくまでも、ランク上は「波乱」だと思ってみても、原稿をしたためながら心の底で、この両校なら十分ありうる結果だな、などと考えているのだから妙なものである。

 

 余談はさておき、第7週はランキング校25のうち22校が出場し18試合を行った。

 ランク校同士で4試合、残り14校がそれぞれランク外のチームと戦い、お休みはオハイオ州立大、オーバーン大、サザンメソジスト大(SMU)の3校、とこのような色分けとなっている。

 

 冒頭で述べたジョージア大とサウスカロライナ大の試合は、この中で最も注目された一戦と言えるかもしれない。

 SECではランク校対戦2試合が目についた。ランク1位のアラバマ大は同24位のテキサス農工大の本拠地へ乗り込み47―28で快勝した。

 ランク5位のルイジアナ州立大(LSU)は同7位のフロリダ大を迎えて42―28で勝った。大西洋岸リーグ(ACC)ではランク2位のクレムソン大がランク外のフロリダ州立大を45―14と難なく下した。

自らボールをエンドゾーンに持ち込みTDを挙げるクレムソン大のQBローレンス(16)(AP=共同)
自らボールをエンドゾーンに持ち込みTDを挙げるクレムソン大のQBローレンス(16)(AP=共同)

 

 ビッグ12ではランク6位のオクラホマ大と同11位のテキサス大がダラスで激突した。

 ランク校同士の好カードというありきたりの表現にとどまらず、カレッジフットボール界を代表する伝統の一戦そのものといった方がいい。

 しかし伝統の一戦などと持ち上げると、内容が意外に一方的になることが多い。この日もそうだった。

 

 スコアは34―27と1TD差だったが、オクラホマ大は攻撃ではQBジャレン・ハーツの出来が上々で、3TDパス。守備ではテキサス大のQBを9回サックして、仕事をさせなかった。

 とりわけオクラホマ大の優勢が決定づけられたのは、前半の終了間際、ブランデン・レイジーが51ヤードを快走して14―3としたあたりだった。

 

 このほかビッグ10ではランク10位のペンシルベニア州立大が同17位のアイオワ大のホームへ乗り込んで、17―12と辛勝した。

 ランク9位のノートルダム大が、ランク外の南加大を招いたゲームは、ランク校とランク外チームの試合とは思えぬほどの激戦を演じた。

 これもまた昔から延々と行われてきた「伝統豊かな」対校戦で、両校の間に脈々と流れるライバル意識は並ではない。

 30―27と3点差でノートルダム大に凱歌が上がったが、これも一つ間違えれば逆の結果が出たであろうことは十分に考えられる。

 

 ランク下位の各校もおおむね順当。14位までランクを上げた山岳西部連盟(MWC)のボイジー州立大(アイダホ州)はハワイ大を招いて59―37。Pac12で躍進を目論むランク15位のユタ大は52―7とオレゴン州立大を圧倒した。

 

 ランク18位のアリゾナ州立大はランク外のワシントン州立大に38―34の辛勝。ビッグ10のミシガン大はランク外のイリノイ大とのリーグ戦。42―25で勝ちランク16位からの巻き返しを目論む。

 ACCのウェークフォレスト大は19位に着けて頑張っていたが、リーグ戦でランク外のルイビル大に59―62と手痛い黒星を喫した。

 似たような略語になってしまうので誠に申し訳ないのだが、アメリカン体育連盟(AAC)では同様に23位のメンフィス大がランク外のテンプル大に28―30で敗れた。

 同リーグではランク25位のシンシナチ大が38―23でヒューストン大を退けた。ビッグ12では、ランク22位のベイラ―大が33―30でランク外のテキサス工科大に辛勝した。

丹生 恭治 にぶ・きょうじ

名前 :丹生 恭治 にぶ・きょうじ

プロフィール:1934年生まれ。関西学院大学卒業後、東京新聞社で運動記者としてスタートし、1962年に共同通信社へ移籍。著書に、中学時代から関学で親しんだアメリカンフットボール生活を描いた「いざいざいざ」がある。甲子園ボウルには高校時代と合わせて6度優勝。

最新記事