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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

【編集後記】Vol.302

2019.10.4 11:00 宍戸 博昭 ししど・ひろあき
慶応に逆転を許し手痛い1敗を喫した青いジャージーの明治=9月28日、駒沢第二球技場
慶応に逆転を許し手痛い1敗を喫した青いジャージーの明治=9月28日、駒沢第二球技場

 

 ラグビーのワールドカップ(W杯)で、日本が優勝候補のアイルランドに鮮やかな逆転勝ちを収めた9月28日。アメリカンフットボールの関東大学リーグ1部TOP8でも、ちょっとした「番狂わせ」が起きた。

 

 東京・駒沢第二球技場で行われた第3節で慶応が明治を20―10で破った試合は、慶応がターンオーバーで得た好機を、ことごとく得点に結びつけての逆転勝ちだった。

 

 今シーズンの明治は、春の定期戦で学生王者の関学大に勝つなど前評判が高かった。しかし、学生の試合はやってみなければ分からない。

 前半で10―0とリードした明治には、油断があったのかもしれない。後半は攻守に精彩を欠き、第3クオーターの短い時間であっという間に20点を失った。

 

 一度かみ合わなくなった歯車は、なかなか元には戻らない。伝統的に選手個々の能力が高い慶応の勢いに飲み込まれて、完敗した。

 

 激しい身体接触を伴うアメフトとラグビーは、偶然が勝敗を左右する確率が低く、野球やサッカーに比べて番狂わせが起きにくいと言われている。

 だが、精神面を鍛え周到な準備をして試合に臨めば、格上の相手を倒すチャンスが生まれる。

 長期間にわたって対アイルランド戦の準備を進めてきたラグビー日本代表の勝利は、偶然ではなく必然の結果と言えそうだ。

 

 前節の東大戦で、明治はTDの後に主力選手3人がはしゃぎすぎて「オーバーセレブレーション」の反則を取られた。

 応援席から「喜びすぎだ!」という怒声が飛び、会場が一瞬静まりかえった。

 

 「慢心、気の緩みがあったのでしょう。今の学生は、本当に難しい」。10年目を迎えた明治の岩崎恭之監督は、序盤での手痛い黒星に表情を曇らせた。

法政二3点差で敗れた試合後、学生に話しかける東大の森清之ヘッドコーチ=9月29日、法大武蔵小杉グラウンド
法政に3点差で敗れた試合後、学生に話しかける東大の森清之ヘッドコーチ=9月29日、法大武蔵小杉グラウンド

 

 TOP8は第3節を終了し、全勝は早稲田と法政の2校。明治、慶応、立教の3校が2勝1敗で続いている。

 法政に21―24で惜敗し3敗目を喫した東大は上位との対戦を終え、今後のリーグ戦を盛り上げる存在になりそうだ。(編集長・宍戸博昭)

宍戸 博昭 ししど・ひろあき

名前 :宍戸 博昭 ししど・ひろあき

プロフィール:1982年共同通信社入社。運動記者として、アトランタ五輪、テニスのウィンブルドン選手権、ボクシングなどスポーツ全般を取材。日本大学時代、「甲子園ボウル」にディフェンスバック、キックオフ、パントリターナーとして3度出場し、2度優勝。日本学生選抜選出。NHK―BSでNFL解説を20年以上務めている。

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