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週刊TURNOVER

共同通信社が運営するアメリカンフットボール専門のウェブマガジン。国内外のフットボールを紹介するベテラン記者のコラムや、国内注目試合の見どころやリポートなどを毎週掲載する。監修は共同通信記者で、NFLの解説者でもある宍戸博昭。

巡ってきたチャンス生かす新人QB ジャガーズのガードナー・ミンシュー

2019.10.1 11:34 生沢 浩 いけざわ・ひろし
エースQBフォールズの故障欠場で巡ってきた出場の機会を生かす、ジャガーズの新人QBミンシュー
エースQBフォールズの故障欠場で巡ってきた出場の機会を生かす、ジャガーズの新人QBミンシュー(AP=共同)

 

 NFLはレギュラーシーズンの4分の1にあたる第4週を終了。それまで負けなしだったビルズ、カウボーイズ、ラムズに土がつき、全勝はペイトリオッツ、チーフス、49ersの3チームだけとなった。

 

 今シーズンのここまでの特徴の一つは、ルーキーの活躍が目立つことだ。

 

 NFLの公式発表によれば、第3週終了時点で新人選手がさまざまな部門でチームトップまたはトップタイに名前を連ねるのは全32チーム中11に及ぶという。

 

 シーズンはまだ始まったばかりだが、ルーキーたちが出場機会を与えられ、そのチャンスを生かして活躍していることが分かる。

 

 

 中には想定外の状況で与えられた出場機会を存分に活用している選手もいる。ジャガーズのQBガードナー・ミンシューがそうだ。

 

 ワシントン州立大学の出身で今年のドラフト6巡でジャガーズに入団した。大学時代はパスで活躍した選手だったが、ほとんど無名の存在だった。

 

 それもそのはずで、ジャガーズは今季、前イーグルスでスーパーボウルMVPのニック・フォールズを正QBとして獲得し、長年にわたるQB難を解決しようとしていたからだ。。

 

 パスの精度に定評があり、これまで多くのビッグゲームを経験してきたフォールズは、ジャガーズのフランチャイズQBとなることが期待された人材だった。

 

 しかし、開幕戦でWRのDJクラークに35ヤードのTDパスを決めた直後にチーフスのDTクリス・ジョーンズのヒットを受けて鎖骨を骨折。故障者リザーブリストに登録されて、長期戦列離脱を余儀なくされた。

 

 

 急遽フィールドに投入されたのがミンシューだった。予定外の出場だったにもかかわらず、ミンシューは落ち着いたクオーターバッキングを見せ、強豪チーフス相手に第4Qだけで二つのTDパスを成功させて追い上げた。

 

 結果は惜敗だったが、レシーバーが取りやすいタッチのパスやロングパスでもコントロールのいい肩の強さはジャガーズに希望を持たせるのに十分だった。

 

 

 ジャガーズは開幕から2連敗したものの、最近2週では連勝し、4チームすべてが2勝2敗で並ぶ混戦のAFC南地区で存在感を放つ。

 

 ジャガーズオフェンスは早くもミンシュースタイルのオフェンスにアジャストしており、このまま先発QBとして定着する可能性も高い。

 

 

 無名のQBがスターダムに上り詰める姿は2001年のトム・ブレイディ(ペイトリオッツ)を彷彿とさせる。

 

 ブレイディは先発QBドルー・ブレッドソーの突然の故障退場でチャンスをつかみ、現在の地位を築いた。ブレイディもまた、ミンシューと同じ6巡指名での入団だった。

 

 

 ミンシューがブレイディと同じ道のりをたどると述べるのはさすがに早計だが、突然訪れたチャンスを生かすことができるルーキーの能力は称賛に値する。

 

 この2試合はチームに勝利をもたらすことができたミンシューの、今後のプレーに注目だ。

生沢 浩 いけざわ・ひろし

名前 :生沢 浩 いけざわ・ひろし

プロフィール:1965年生まれ。上智大卒。1991年にジャパンタイムズ入社。大学時代のアメリカンフットボール経験を生かし、フットボールライターとしても活動。NHKーBSや日テレG+でNFL解説者を務める。「Pro Football Writersof America」会員。

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